バイクの冷却水、特に水冷エンジンに使われているラジエーターの水は、非常時に飲料水として使えるのでしょうか?例えば砂漠で水が尽きた場合、「ラジエーターの水を飲めばいい」と思うかもしれません。この記事では、そうした場面での判断のヒントと、その後のバイクへの影響について詳しく解説します。
ラジエーターに入っている水の正体とは?
多くの現代のバイクでは、ラジエーターには「冷却水(クーラント)」が使用されています。これは単なる水ではなく、防錆剤・防腐剤・凍結防止剤などを含む液体です。色は緑や赤、ピンクなどで、独特の甘い匂いがします。
この冷却水は人体には有害で、特に含まれる「エチレングリコール」は飲むと中毒を起こし、場合によっては命に関わる危険性があります。誤って口にした場合はすぐに医療機関へ連絡が必要です。
飲めるのは「水道水」などを使っている場合のみ
一部のライダーは「応急処置だから」と水道水やミネラルウォーターを冷却水代わりに使用しているケースもあります。こうした場合、ラジエーター内の液体が純粋な水である可能性があり、その場合は飲んでも命にかかわるような害は少ないでしょう。
ただし、ラジエーター内部には金属粉やサビ、ホースから溶け出た成分が混ざっていることも多く、非常時以外には決して飲まないことを強くおすすめします。飲む前に可能な限り濾過するのも最低限の対応策です。
ラジエーターの水を飲んだらバイクはどうなる?
冷却水を抜いてしまえば、バイクはオーバーヒートするリスクが非常に高まります。水冷エンジンは冷却水が循環することでエンジンの温度を適切に保っています。
冷却水がない状態で走行を続けると、エンジン内部が過熱し、最悪の場合焼き付き(エンジンが完全にダメになる)につながります。したがって、飲料水として利用するなら「バイクは動かなくなる覚悟」が必要です。
もしもの時に備える:緊急サバイバル知識
砂漠や山中など水の確保が難しい場所をバイクで走行する予定がある場合は、最低限の飲料水や浄水タブレットを常備しておきましょう。
また、万が一に備えてラジエーター補充用の予備冷却水を持っておけば、助けを呼ぶまでの間にエンジンを少しでも長く動かすことができます。
まとめ:緊急時は選択を迫られるが、命を最優先に
ラジエーターの水は基本的に「飲まない」のが原則です。ただし、生命の危機に瀕している場合には、状況を見て判断するしかない場面もあるでしょう。その場合はバイクは確実に使えなくなると覚悟して、命を守る選択を優先してください。
備えがあるだけで命をつなげる可能性が大きく変わります。ツーリングや過酷な環境に行く際には「冷却水は飲めない」と心に留め、準備を怠らないようにしましょう。
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