バイクの“ビャン泣き”の正体とは?回転数と排気音に秘められたコールサウンドの原理とセッティング

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旧車やネイキッドバイクファンの間で語られる「ビャン泣き」や「コール音」。特にCBX、XJR、ゼファーといった名車たちは、低〜中回転域で独特の高周波サウンドを奏でますが、そのメカニズムは意外と知られていません。この記事では、その“鳴き”の正体や再現方法について、バイクの構造とセッティングを交えてわかりやすく解説します。

“ビャン泣き”とは?コールで響くバイク特有の音

“ビャン泣き”とは、スロットル操作に合わせてバイクが発する高音域の「ビャンビャン」という音を指します。特に4気筒ネイキッドや旧車で人気があり、コールと呼ばれる空ぶかしパフォーマンスでよく聞かれます。

この音は「吸排気音」「共振」「エンジンレスポンス」「回転数」によって作られる複雑な現象です。特定の回転数、特に4,000回転前後で響く理由には、排気系の構造と点火タイミングの連携が影響しています。

鳴く仕組み:吸排気と共鳴の科学

バイクが「鳴く」と感じられるのは、マフラー内部やエキパイ、エアクリーナーの構造によって起こる音波の共鳴現象です。特定の回転数で吸排気の波動が重なり、強調される音域が“鳴き”となって聞こえるのです。

また、エンジンの点火タイミングと燃焼効率もこの共鳴に影響します。例えば、CBX400Fのような高回転型エンジンは、きれいな音波が整いやすく、結果として美しい鳴きが生まれやすいのです。

コールに向いた車種とその特徴

  • CBX400F:直列4気筒エンジン特有の高音サウンドと回転の伸びが魅力
  • XJR400:重厚なエンジン音が低回転でも存在感を放つ
  • ゼファー400:キャブ車特有の反応性と直管マフラーで抜群の鳴き
  • バリオス:16,000回転まで回る高回転仕様で、軽快な泣きが特徴

ただし、近年は排気音規制のため純正マフラーではこの“鳴き”は出にくく、社外マフラーやチャンバー交換が鍵になります。

セッティング次第で“鳴く”バイクは増やせる?

バリオスやZRX、NC31といった車種でも「鳴かせる」ことは十分可能です。重要なのは、以下のようなセッティングの工夫です。

  • マフラー選び:集合タイプやストレート構造、JMCA非認証マフラーなど
  • キャブセッティング:燃調やパイロットジェットの見直しで音質が変化
  • 点火系:プラグの番手変更やCDIの変更などで反応が鋭くなる

例えば、ZRX400にRPMやKERKERマフラーを装着し、スロットルをリズミカルに煽ることで、まるでCBXのようなサウンドに近づけることも可能です。

セッティング事例:NC31をビャン泣きにするには

ホンダCB400SF(NC31型)を例にすると、RPM67RやBEET製マフラーのようなストレート構造のマフラーが効果的です。また、エアクリーナーをパワーフィルターに交換し、キャブを再調整することで、吸気音と排気音の両方に鳴きを持たせられます。

実際に、4,000〜6,000回転あたりをキープしながらスロットルワークを行うことで、甲高く余韻のある“ビャン”という音を再現できます。

注意点:公道での使用と法規制

このような改造や鳴きを楽しむコールは、公道では違法改造・騒音問題の対象になる可能性があるため、必ず私有地やイベント会場など、合法的な環境で行うようにしてください。

また、マフラーによっては車検非対応のものも多く、取付けや整備も自己責任で行う必要があります。

まとめ:バイクが“鳴く”のはセッティング次第

CBXやXJR、ゼファーが低回転で“鳴く”のは、エンジン特性と吸排気設計が合致した結果です。しかし、セッティング次第で他のバイクでも同様の鳴きを引き出すことは可能です。マフラー選びやキャブ調整を通して、愛車の“音”を楽しむのもバイクの醍醐味のひとつ。ただし、法令とマナーを守った楽しみ方を心がけましょう。

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