アドベンチャーバイクは「オフロードも走れるツーリングバイク」として人気を集めていますが、その重さやサイズから「本当にオフロードで使えるのか?」と疑問を持つライダーも多いはずです。今回は、重量級アドベンチャーバイクのオフロード性能について、実際の使用例や注意点を交えてわかりやすく解説します。
アドベンチャーバイクの基本設計と目的
アドベンチャーバイクは、オンロードとオフロードの両方を走れるように設計されたデュアルパーパスモデルです。BMW R1250GSやHONDA CRF1100L Africa Twinなどが代表格で、大きなガソリンタンクと積載力、長距離走行に耐える快適性が特徴です。
ただし、これらのバイクは最低でも200kgを超える重量があり、トレールバイクのような軽快さは持ち合わせていません。そのため、“オフロード=本格的な山道やガレ場”には向いていないのが現実です。
重たいバイクでのオフロード走行の難しさ
重量のあるアドベンチャーバイクは、転倒時のリスクや取り回しの大変さが顕著です。特に未舗装路で足元を取られるような路面では、一度倒れると一人では起こせないことも珍しくありません。
また、オフロード初心者が安易にチャレンジすると、バイクも自分も大きなダメージを負う可能性があります。一方で、熟練ライダーが適切な技術と装備で臨めば、林道や砂利道程度のオフロードなら十分に走行可能です。
実例:重量級バイクでのオフロード走行成功例と失敗例
たとえば、あるライダーはBMW R1200GSで北海道の林道を縦走し、車体の安定感と電子制御の助けで快適にツーリングを楽しんでいます。反対に、別のライダーはKTM 1290 SUPER ADVENTUREでガレ場に挑戦し、2回の転倒後にレッカーを呼ぶ羽目になったといいます。
これらの例からも、「バイクの性能」と「ライダーの技量」がマッチしているかどうかが重要であることが分かります。
アドベンチャーバイクをオフロードで安全に使うためのポイント
- タイヤ選びが最重要:オンロード寄りのツアラータイヤでは滑りやすく、最低でもデュアルパーパスタイヤを装着しましょう。
- エンジンガードやクラッシュバーの装備:転倒のダメージを最小限にするために必須です。
- 荷物の軽量化:余分な装備はできるだけ省き、車体の重心を下げる工夫を。
また、必ず単独ではなく複数人で走行し、万一のときに助けを呼べる体制を整えておくことも重要です。
アドベンチャーバイクの本当の魅力とは?
アドベンチャーバイクは、「オフロード走行を楽しむためのバイク」ではなく、「あらゆる道を選ばずに旅を続けるためのバイク」と捉えるのが適切です。オフロード性能はあくまで“選択肢の一つ”であり、万能ではないことを理解しておくことが大切です。
まとめ:無謀かどうかは状況次第、安全を最優先に
アドベンチャーバイクでのオフロード走行は、決して無謀ではありませんが、安全と経験に大きく左右される行為です。バイクの特性を理解し、リスクを見極めたうえで走行スタイルを選ぶことが、長く楽しく付き合うための秘訣といえるでしょう。
重さをデメリットと捉えるか、安定感と考えるかは乗り手次第。自分に合った楽しみ方を見つけることで、アドベンチャーバイクの魅力を最大限に引き出せるはずです。
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