車のエアロパーツをDIYで塗装する方が増えていますが、季節や天候によって仕上がりに大きく差が出ることをご存知でしょうか。特に夏場の高温多湿な環境では、スプレー塗装にいくつかの注意点が存在します。本記事では、真夏にスプレー缶で塗装する際に知っておきたいポイントを詳しく解説します。
スプレー塗装に適した気象条件とは?
一般的に、塗装に適した気温は15℃〜25℃、湿度は40〜60%が目安とされています。これより高温の場合、塗料の揮発が早くなりすぎて、ムラになったりツヤが出にくくなることがあります。
湿度が高すぎると表面に「白化現象(ブラッシング)」と呼ばれる曇りが発生する可能性があり、逆に湿度が低すぎると静電気が起きやすく、ゴミやホコリの付着が増える原因になります。
気温35℃の塗装はどう影響するのか
35℃という高温下では、スプレー缶の中の塗料が非常に早く乾き、塗装面でのレベリング(平滑化)が不十分になります。結果として、ザラついた表面やムラのある仕上がりになりがちです。
また、缶の内圧が上がることで、塗料の噴射が不安定になりやすく、予想外の飛び散りやダマが発生するリスクもあります。
湿度50%は問題ないか?
湿度50%はスプレー塗装にとっては比較的良好なコンディションですが、気温が高い状態での塗装と組み合わさると、乾燥スピードが速すぎてムラが出やすくなるため、やはり注意が必要です。
また、湿度50%でも風通しが悪く蒸し暑い場所では、体感湿度が高くなり、汗や結露が塗装面に落ちるリスクも無視できません。
気温と湿度が高い日のベストな対処法
- 早朝または夕方など、気温が下がる時間帯に作業する
- 屋外でも日陰や風通しの良い場所を選ぶ
- 塗料の噴射距離や角度をこまめに調整し、厚塗りを避ける
- できれば複数回に分けて薄く重ね塗りする
- 塗装後の乾燥は風通しの良い室内やガレージで行うとベター
実際の事例:真夏に塗装して失敗した例
DIYでエアロパーツを塗装したAさんは、炎天下の午後に作業した結果、スプレーが飛び散り、乾燥も不均一で斑点模様のような仕上がりになってしまいました。
一方、別のBさんは、気温が下がった夕方に作業し、扇風機で風を送るなど工夫してキレイに仕上げることができたと報告しています。
プロも避ける高温下での塗装
実はプロの板金塗装業者も、外気温35℃以上の環境では塗装作業を避け、エアコン完備のブースで調整された温湿度環境のもとで作業しています。
それだけ高温塗装は難易度が高く、仕上がりの安定性に直結する要素だといえるでしょう。
まとめ
気温35℃・湿度50%の夏場にスプレー缶でエアロパーツを塗装するのは、技術的には可能ですがリスクが伴います。ムラやツヤ不足といった仕上がりトラブルを防ぐには、時間帯や場所、塗装方法の工夫が重要です。
少しでも成功率を高めたいなら、早朝や夕方に作業するか、気温の落ち着いた季節に延期することも検討しましょう。
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