クラシックカーとしても人気のあるMS125クラウンは、独特のデジタルメーターを搭載しており、当時の先進性を感じさせてくれます。しかし、近年そのメーターに関するトラブル報告も多く、中でも「エアコンを使用すると水温計がHまで上がるが、切るとすぐ正常に戻る」という現象は注意が必要です。本記事では、この現象の原因と対処法を詳しく解説していきます。
エアコン使用時に水温計が急上昇する理由
エアコンをONにすると電気系統に負荷がかかり、同時に冷却ファンも作動します。ところが、電圧低下やアース不良があるとデジタル水温計が誤作動を起こすことがあります。これは冷却系の実際の温度ではなく、メーター表示上の誤作動です。
実際にHラインまで一気に上がるものの、エアコンを切るとすぐに戻るという挙動は、冷却水の温度変化では説明がつきません。このような急激な数値変化は電気的な原因が強く疑われます。
センサーやサーモを交換しても解決しない理由
すでに水温センサー、テンパラチャーセンサー、スタートインジェクター、サーモスタットを交換しても症状が改善しない場合、機械的な冷却不良ではなく、電装系・メーター内部の問題が濃厚です。
特にMS125クラウンはメーター基板の劣化やハンダクラック、抵抗の劣化が多く見られるため、デジタル表示の数値が誤作動しやすいモデルです。
考えられる主な原因と対処法
- アースの不良:特にメーター周りやエンジンルームのボディアースが劣化していると、電位差で誤表示が起きます。
- オルタネーターの不具合:エアコン使用時に電圧が不安定になり、センサーの出力に影響を与えることがあります。
- メーター基板の経年劣化:電子部品のコンデンサやICに不具合があると、表示が乱れることがあります。
まずはエアコンON時のバッテリー電圧を確認し、13.5V未満に落ちるようであればオルタネーターやバッテリーの劣化を疑いましょう。
実際のユーザー報告例と修理実績
ある整備士の報告によれば、MS125クラウンの同様の症状でメーター基板のアースポイントを増設・強化したことで、水温計の誤表示が完全に改善されたとのことです。また、メーター自体をオーバーホール(リビルト)に出した例もあります。
ヤフオクや旧車専門の電装リペア業者では、基板修理サービスを提供している場合があり、比較的低コストで復旧できるケースも見られます。
修理以外の応急策
根本的な修理が難しい場合、一時的な対処法としては「アナログの追加水温計」を取り付けて実温を確認するのも一つの手です。OBDポートがない旧車でも、機械式またはセンサー式の社外水温計をラジエターホースに挿入すれば実測できます。
実際の水温に問題がないことが分かれば、安心して運転できるため精神的にも大きな支えになります。
まとめ|エアコン使用時の水温計異常は電装トラブルの可能性大
MS125クラウンの水温計がエアコンON時に急上昇する症状は、センサーや冷却系統ではなく、電装・メーター側に原因がある可能性が高いです。アース強化や電圧チェック、メーター基板の修理を検討し、必要に応じて専門業者に相談しましょう。
旧車だからこそ起こりやすいこうしたトラブルも、正しい知識と対処で安心して楽しめる愛車ライフに変わります。
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