車を車検や修理のために預ける際、ETCカードを差しっぱなしにしてしまった経験がある方も多いでしょう。業者側がそのETCカードを使用した場合、たとえ業務目的であっても無断利用であれば問題になる可能性があります。この記事では、ETCカードの無断使用にまつわる法律的な解釈や、実際に起こり得るトラブルへの対処法を解説します。
ETCカードの基本的な利用ルール
ETCカードはクレジットカード会社と契約した名義人が使用することが前提です。たとえ車の所有者であっても、本人以外の利用は原則として規約違反とされています。
例えば、クレジットカード会社の多くは「ETCカードは本人および家族以外の使用は禁止」と明記しており、第三者が使用する行為は不正利用と見なされる可能性があります。
車検業者がETCを使用するケース
実際の現場では、業者が点検や車検時にETCカードを挿したままの車を移動させる際にETCレーンを通過することもあるようです。これは「業務の一環」という認識かもしれませんが、事前の承諾がなければ無断使用に該当する可能性があります。
一部の整備業者では、ETCカードの抜き忘れについて注意喚起の張り紙をしていることもあります。それはこうしたトラブルを未然に防ぐためです。
不正利用と認定される条件
ETCカードの不正利用が法的責任を問われるかどうかは、以下の点が関係します。
- 使用者がカード名義人の許可を得ていたか
- 業務上の必要であったか
- 金銭的な損害が発生しているか
このような場合、民事上では損害賠償の対象になる可能性もありますが、刑事事件に発展する可能性は低めです。ただし、信頼関係に大きく関わる問題です。
実際のトラブル事例と対応方法
たとえば、あるユーザーが車検後にETCの利用履歴を確認したところ、自分が運転していない時間帯に利用された記録がありました。確認した結果、業者が無断で高速道路を利用していたことが発覚。ユーザーは業者に連絡し、ETC利用料の返金と謝罪を受けました。
このようなケースでは、まず冷静に状況を確認し、利用履歴の証拠を保持した上で業者に説明を求めることが重要です。
ETCカードを安全に管理するために
- 車検や修理の前にETCカードを必ず抜いておく
- 業者に渡す際、「ETCカードは入っていません」と一言伝える
- 利用明細や履歴を定期的に確認する習慣をつける
特に最近ではETCカードの高額不正利用被害もあるため、自己防衛も重要です。
まとめ:無断使用は「業務上」でも正当化できない
車検業者がETCカードを無断で使用した場合、それが業務目的であっても不正利用と見なされる可能性があります。信頼関係のもとに成り立つサービスだからこそ、トラブルが起きた場合は丁寧に対応し、今後に向けた防止策を講じることが大切です。
車を預ける際はETCカードを抜く習慣をつけ、疑問や不安があれば遠慮せずに業者へ確認しましょう。
コメント