還暦後にローンで新車を買うのはアリ？収入減と老後のライフスタイルを見据えた選択肢

還暦を過ぎてから新車を購入するという選択に、不安や迷いを感じる方も多いのではないでしょうか。特にローンを組むとなると、「老後資金は大丈夫か」「収入が減っているのに負担では？」といった懸念が浮かびます。この記事では、還暦後の新車購入に関する考え方や、判断のポイントを解説します。

還暦以降のライフスタイルの変化とは

還暦（60歳）を迎えると、多くの人が定年退職や収入の減少を経験します。定年後も再雇用やパート勤務などで収入を得る人もいますが、現役時代と比べると年収が大きく減少するのが一般的です。

一方で、子育てや住宅ローンの負担が軽減され、自由な時間が増えるのも還暦以降の特徴です。旅行や趣味、地域活動など、自分のための時間を充実させるための移動手段として、自動車は重要なアイテムにもなり得ます。

ローンを組むという行為は、将来の収入を見込んでの「先取り消費」です。還暦を過ぎると、金融機関の審査も厳しくなり、年齢制限によってはローンが組めない場合もあります。また、ローンの返済が年金生活に重くのしかかる可能性もあるため、慎重な判断が必要です。

一方で、貯金を取り崩して購入する場合、老後資金が減ってしまうという別のリスクも存在します。そのため、無理のない返済計画と、生活費に支障を来さない資金設計が求められます。

もし新車を購入するなら、必要以上に高額な車種を選ばず、燃費や維持費、保険料などトータルコストを考慮して選ぶことが重要です。たとえば、軽自動車やコンパクトカーは購入費用が抑えられるうえ、維持費も安く高齢者に人気です。

近年では、サブスク型カーリースや、残価設定ローンなど新しい購入スタイルも登場しています。これらを活用することで、資金の圧迫を抑えつつ安全・快適な車を手に入れる選択肢もあります。

ある60代の男性は、退職金の一部でコンパクトカーを一括購入しました。「運転は減ったけど、買い物や通院の足にはまだ必要」との理由です。燃費やサイズ感を重視した選択でした。

別の女性はローンを使いハイブリッド車に乗り換え。「月々2万円以内の返済で、ガソリン代も抑えられて満足」と語っています。月々の支出を年金とパート収入で補えるよう調整したそうです。

高齢期においては、予期せぬ医療費や介護費用の発生にも備えておく必要があります。車を持つことでのメリットは大きいですが、それによるコスト増加が生活全体に与える影響を忘れてはなりません。

車の購入が生活の質を上げる投資となるのか、それともリスクとなるのか、冷静に判断することが大切です。

還暦を過ぎてからの新車購入は、個人のライフスタイルや資金状況によって「あり」か「なし」かが変わります。大切なのは「本当に必要な車か」「支払い能力に見合っているか」を見極めること。無理なく、楽しいセカンドライフを送るための選択を心がけましょう。