スクーターに搭載される一般的なABSの仕組みと性能差を徹底解説|コストを抑えつつ安全性を高める選び方

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近年、スクーターにもABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が標準装備されるケースが増え、安全性の高い二輪車選びがしやすくなっています。しかし、そのABSにも種類や性能差があるのをご存じでしょうか?特に高額モデルでなくとも搭載されている一般的なABSの特徴と、高性能ABSとの違いについて解説します。

スクーターに搭載されるABSとは?その基本的な仕組み

ABS(Anti-lock Braking System)は、急ブレーキ時に車輪がロックしてスリップするのを防ぐためのシステムです。車体に装着されたセンサーがホイールの回転速度を常時監視し、ロックしそうになると自動的にブレーキ圧を調整します。

スクーターに採用される一般的なABSは、「1チャンネルABS」と呼ばれるタイプで、前輪のみに作動するものが主流です。これによりコストを抑えつつ、安全性もある程度確保できる仕組みとなっています。

1チャンネルと2チャンネルの違い

一般的なスクーターに採用される「1チャンネルABS」は前輪のみに対応します。一方で、高性能タイプの「2チャンネルABS」は前後輪両方にセンサーとバルブを備えており、より制動バランスに優れています。

たとえば、ホンダPCXなどは1チャンネルABS搭載ですが、上位モデルや排気量の大きな車種では2チャンネルABSを採用する傾向が見られます。

低価格スクーターの安全装備:CBSとの違い

安価なモデルではABSの代わりに「CBS(コンビブレーキシステム)」が搭載されていることもあります。CBSは、左ブレーキレバーを握ると前後のブレーキが同時に作動する仕組みで、バランスの良い制動を実現します。

ただし、滑りやすい路面ではABSに比べて制動制御が不十分であるため、より安心を求める場合はABS搭載モデルが推奨されます。

代表的なABS搭載スクーターと性能比較

ここでは国内で購入できるABS搭載のスクーターを一部紹介します。

車種名 ABSタイプ 備考
ホンダ PCX 1チャンネル 前輪のみABS、CBS併用モデルあり
ヤマハ NMAX 2チャンネル 前後独立で制御、スマートキー装備
スズキ アヴェニス125 1チャンネル スポーツ志向の軽量ボディ
ホンダ Dio110 CBS コストパフォーマンス重視モデル

このように価格帯や用途に応じて、搭載されているABSやブレーキシステムの仕様に差があります。

高性能ABSとは?ミドルクラス以上に見る進化系

高価格帯では、ABSに加えてIMU(慣性センサー)を組み合わせたコーナリングABSなどが採用されていますが、この記事では除外対象です。

ただし、スクーターでも一部の150ccクラスで2チャンネルABSや、トラクションコントロールと連携したシステムを備える例もあり、安全性は着実に進化しています。

まとめ:スクーターのABS選びは「1チャンネル」で十分か?

一般的なスクーターに搭載されているABSの多くは「1チャンネルABS」で、前輪のみの制御ながらも一定の効果を発揮します。通勤や街乗りが中心の方にとっては、コストと安全性のバランスが取れた実用的な選択肢です。

より安全性を重視するなら、2チャンネルABSやNMAXのような上位スクーターも視野に入れてみるとよいでしょう。購入の際は、単に「ABS付き」と記載されていても、その方式に注意することが重要です。

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