2023年から導入が始まった「電子車検証」。これまでの紙の車検証と大きく異なり、見た目も仕様も変わったことで戸惑う方が多いようです。特に、有効期限の確認方法や「検査記録事項」の扱いについて疑問を抱くケースが増えています。本記事では、電子車検証の基本から、実際の有効期限の確認方法まで丁寧に解説します。
電子車検証と検査記録事項の違いとは?
2023年1月以降、新たに発行される車検証は「電子車検証」と呼ばれるICチップ入りのカード型になりました。これにより、これまでのA4サイズの紙から一新され、持ち運びや保管がしやすいという利点があります。
一方、「検査記録事項(車検証情報の補足紙)」は、従来の車検証に記載されていた情報のうち、電子化によりカードに収まらない内容を記載した別紙です。これはあくまで参考情報であり、法的効力は電子車検証にあります。
有効期限はどこに記載されている?
電子車検証そのものには視認できる「有効期限」の記載がありません。その代わり、ICチップに格納されている情報として保存されています。車検の有効期限を確認するには、以下の方法があります。
- 運輸支局や整備工場にある「車検証閲覧端末」を利用
- スマートフォンアプリ「車検証閲覧アプリ(国土交通省公式)」を利用
- 電子車検証交付時に渡される「検査記録事項」で確認
特に一般ユーザーにとっては、「検査記録事項」の紙を日常的な確認用として活用するのが現実的です。
車検証の有効期限は「指定日」のいつまで?
車検証に記載される「有効期限の満了する日」は、その日の24時までが有効です。つまり、指定日当日中は走行可能ですが、翌日0時以降は無車検状態となり、法律違反になります。
例:車検証の有効期限が「2025年7月10日」の場合、同日23時59分までが有効。
7月11日からは車検切れとして取り締まり対象になる可能性があります。
検査記録事項に効力はあるの?
「検査記録事項」は単なる補助資料であり、法的効力があるのはあくまで電子車検証です。とはいえ、日常的に必要な情報(有効期限、型式、所有者名義など)が記載されており、整備時や保険手続きの際に活用されます。
紛失しても再発行可能ですが、なるべく保管しておくと安心です。
電子車検証への移行で注意すべき点
電子車検証へ切り替えた方は、以下の点に注意しましょう。
- アプリの導入でICチップ内情報を確認できるようにする
- 更新や名義変更の際は、ICチップ情報が更新されているか確認する
- 車検証のコピーを保険などの手続きに使用する際は、「検査記録事項」を添えるとスムーズ
また、レンタカーや社用車などでの運転時も、電子車検証の提示が求められる場面が増えています。日頃から確認方法に慣れておくと安心です。
まとめ:電子車検証と記録事項の役割を理解して正しく活用を
電子車検証の導入により、見た目も運用方法も変化した車検の証明制度。混乱することもあるかもしれませんが、「有効期限は指定日の24時まで」「確認はアプリや記録事項紙を使う」などの基本を押さえれば、安心して車を利用できます。
法的に重要なのはICチップに格納された情報ですが、検査記録事項は日常での実用性が高いため、紙とデジタルの両方を活用するのがこれからのスタンダードとなるでしょう。
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