10年落ちで走行距離が少ない中古車はお得？その真相と注意点を徹底解説

中古車市場では「10年落ち」「走行距離1万km台」という車両を見かけることがあります。年式と距離が釣り合わない車両にはどんな背景があるのでしょうか？お得に見えるその車、実は注意すべき点もあります。

低走行中古車の背景｜なぜ距離が少ない？

走行距離が極端に少ない車には以下のような事情が考えられます。

• 高齢者などが所有し、ほとんど乗らなかった
• セカンドカーとして保有され、たまにしか使用されなかった
• 展示車や試乗車として使われた後、長期保管されていた

いずれも「正当な理由」である場合もありますが、販売前のチェックが重要です。

動かさないことで発生するリスクとは

車は機械である以上、動かさない時間が長すぎると劣化が進む部分があります。たとえば。

• タイヤやゴム系部品のひび割れ
• バッテリーの劣化
• オイルや冷却水の劣化・沈殿
• ブレーキディスクの錆び

「動かさない＝ダメージが少ない」とは限らないため、低走行＝良車と短絡的に判断するのは危険です。

メーター改ざんの可能性も？

過去にはメーター戻し（改ざん）による被害も多く、中古車の業界団体では車歴管理の厳格化が進んでいます。

日本自動車査定協会（JAAI）の発行する「走行距離管理システム」の情報や、整備記録簿・車検証の履歴から信頼性を確認することが大切です。

お得に見える？本当に得かは見極め次第

確かに、走行距離が少ない車は市場価値が高く「お得に見える」ことがあります。ただし以下のような視点が重要です。

• 外装や内装の状態
• エンジンルームの点検歴
• オイルやバッテリーなど消耗品の交換履歴

例として、走行1.5万kmの10年落ち車が100万円で売られていても、メンテナンス歴がなく劣化が進んでいれば、80万円台の普通の距離を走った車の方が安全性・信頼性は高いこともあります。

購入前に確認すべきポイント

以下のチェックは必須です。

• 整備記録簿・点検記録の有無
• エンジン・下回りの錆びやオイル漏れ
• バッテリーやタイヤの交換時期
• できれば第三者機関の車両チェックを依頼する

特に長期保管車は「見た目はキレイでも内部が劣化している」ことが多いため、購入前点検を強く推奨します。

まとめ｜距離だけに惑わされない目利きが大切

10年落ちで走行距離1〜2万kmの車両は、一見お得に見えますが、保管環境や整備歴次第では逆にリスクのある買い物になることもあります。

「低走行＝良車」とは限らず、「適切な整備」と「保管環境」を見抜く目が重要です。購入時は走行距離だけでなく、総合的な車両状態を必ず確認しましょう。