原付バイクに乗っていて「ギー」「ギオー」といった異音が加速時に聞こえてくると、不安になるものです。特に普段は静かに動いていた車両が、急に音を出し始めると故障の前兆ではないかと心配になるのは当然です。今回は、スズキ・レッツ4バスケットを例に、停車中では出ないが加速時に出る異音の主な原因や確認ポイント、対策について解説します。
まず確認すべき:異音の出るタイミングと場所
異音が出るタイミングによって、原因の特定がしやすくなります。今回のように「セル回し加速時」に音が出るケースは、エンジン始動後の回転上昇や駆動系の動き始めに異常がある可能性が高いです。
特に以下の部位が原因となることが多いです。
- Vベルトの劣化・摩耗
- ウェイトローラーやクラッチシューの偏摩耗
- 駆動系内部のグリス切れ・錆びつき
- 冷却ファン・エアクリーナーケースの緩み
特に駆動系からの異音は「ギー」「ギオー」という金属的な音や共振音として現れることが多く、走行中よりも発進時に目立つ傾向があります。
Vベルトと駆動系の劣化が原因の場合
レッツ4シリーズはCVT(無段変速機)を採用しており、内部にあるVベルトとプーリーの組み合わせによって変速しています。走行距離が伸びたり、経年劣化するとこの部分に異音が出るようになります。
以下のような症状がある場合は要注意です。
- 発進時に振動とともに「ギィィィ」音がする
- 坂道発進で滑っているような感覚
- ウェイトローラーが偏摩耗している
この場合、Vベルト・ウェイトローラー・クラッチシューの3点をまとめて点検・交換するのがベストです。部品代は数千円程度、作業を依頼しても1〜2万円ほどで済みます。
添加剤による影響はあるのか?
質問者が使用している「ワコーズの添加オイル」ですが、これはエンジンオイルや燃焼室を保護・清浄化するためのもので、基本的に駆動系(ベルトやクラッチ)とは無関係です。
ただし、誤ってクラッチ内にオイルやグリスが付着するとクラッチが滑ったり、鳴いたりすることがあるため、添加剤使用後に異音が出た場合は「どこに入れたか」「整備時に付着していないか」なども再確認しておくと安心です。
DIYでできるチェック方法
ある程度の工具があれば、下記のチェックは自分でも行えます。
- 駆動系カバー(CVTケース)を開けてベルトの亀裂・削れを確認
- プーリー内のウェイトローラーの変形を目視でチェック
- クラッチシューとクラッチベルの摩耗具合を確認
異音が大きくなる前にこれらのパーツを清掃・交換しておくことで、安心して乗り続けることができます。もし不安がある場合は、ショップで「駆動系チェック+グリスアップ」などの点検メニューを依頼すると良いでしょう。
異音を放置するとどうなる?
異音の内容によっては、次のようなトラブルに発展する可能性もあります。
- ベルト切れによる走行不能
- クラッチの滑りによる加速不良
- 金属摩耗による二次的損傷
特にレッツ4バスケットは買い物や通勤・通学用として使用されることが多いため、日常の利便性を損なう前に早めの点検・整備がおすすめです。
まとめ:発進時の「ギー・ギオー音」は駆動系をチェック
レッツ4バスケットで加速時に出る異音の多くは、Vベルトやクラッチシューなどの駆動系に起因しているケースが一般的です。添加剤自体が直接の原因になる可能性は低いため、まずは駆動系内部の点検を優先しましょう。
定期的な点検と消耗部品の交換で、原付は驚くほど快適に長く使えます。異音が気になるときは、早めに信頼できる整備店で診てもらうのが安心です。
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