スーパーカブ90(HA02)は耐久性と経済性に優れた名車ですが、標準状態では最高速度が65km/h前後にとどまります。通勤路が長く直線が多い田舎道であれば、もう少し余裕を持った巡航速度が欲しいところ。今回は80km/h前後まで引き上げるための実践的なカスタム方法をご紹介します。
まず確認すべき:現在の状態と用途
エンジンの状態や駆動系の摩耗度合い、タイヤの空気圧など基本的な点検を行いましょう。特にキャブレター車の場合はセッティングのズレが出ていることもあるため、まずは整備から始めるのがおすすめです。
あくまで通勤用としての信頼性を維持しつつ速度を上げたいというニーズには、慎重なバランス感覚が求められます。
スプロケット交換で手軽に最高速アップ
もっとも簡単で費用も安く済む方法は、スプロケット交換です。フロントスプロケットの歯数を「1~2丁増やす」と、最高速寄りのセッティングになります。ただしその分、加速力はやや鈍くなるため、坂道が多いエリアでは注意が必要です。
例:純正13T→14Tまたは15Tへの交換。チェーン長の調整や干渉の有無を確認する必要があります。
ボアアップキットでパワーとトルクを底上げ
さらに高い速度域を目指すなら、ボアアップも有効です。信頼性の高いキットとしては「キタコ88ccキット」「武川ライトボアアップキット」などが人気です。燃焼効率とトルクが向上し、余裕のある走行が可能になります。
なお、ボアアップ後はキャブレターやマフラー、点火系のセッティングも調整が必要になります。ショップでの組み込みを推奨します。
吸排気・点火系のカスタムも効果的
- キャブレター交換:純正より大径のキャブに交換することで吸気効率アップ。例:PC20やPE24など。
- マフラー交換:排気効率が良くなるタイプへ交換することで、高回転域の伸びを確保。
- 点火時期の見直し:ハイパワーCDIの導入や、点火タイミングの最適化でパワーを最大限に引き出せます。
耐久性を確保するメンテナンスと注意点
カスタムによりエンジン負荷が上がるため、オイル交換の頻度は短め(1000~1500kmごと)にしましょう。また、純正クラッチが滑る場合は強化クラッチの導入も視野に入れるべきです。
改造内容によっては構造変更(改造申請)や軽二輪登録が必要になることがあります。ナンバー区分や排気量規制にも注意してください。
まとめ:目的に合わせて段階的にカスタムを
スーパーカブ90で80km/h前後の巡航を実現するためには、スプロケ交換だけでもある程度効果がありますが、持続的な速度とトルクが必要な場合はボアアップ+吸排気のセットアップが推奨されます。
末長く愛車と付き合うためには、「信頼性」と「法的整合性」を大切にしながら、慎重にカスタムを進めることがポイントです。
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