車を運転していると、思わぬ場所で故障してしまうことがあります。特にトンネル内で車両が停止してしまった場合、適切な対応を取らないと後続車に危険を及ぼす可能性があります。今回はトンネル内での駐停車に関する法律や、万が一の故障時にどう行動すべきかを解説します。
トンネル内での駐停車は原則禁止
道路交通法により、トンネル内では駐車・停車が原則禁止されています。これは、トンネルという閉鎖空間内では視界や逃げ道が限られており、車両の停車が重大事故に繋がる可能性が高いためです。
このルールは、たとえトンネル内の左端に寄せたとしても例外ではなく、故障などやむを得ない事情があった場合でも、安全措置を講じた上で早急に移動や救援を要請する必要があります。
やむを得ない事情による一時停止はどう判断される?
故障は「やむを得ない事情」に含まれると考えられます。しかし、それがただちに「駐停車が許される」とはなりません。実際には以下のような点が判断材料となります。
- 故障が突発的で避けられなかったか
- 非常点滅表示灯(ハザードランプ)を点灯させたか
- 発炎筒や停止表示板を適切に設置したか
- 速やかに救援を要請したか
これらの行動がなければ、「適切な措置を取らなかった」と判断される可能性もあるため、注意が必要です。
トンネル内で故障した際の正しい対応手順
トンネル内で車が故障してしまった場合、以下の手順に沿って対応することが重要です。
- 可能な限り左側に寄せる(非常駐車帯があればそこへ)
- ハザードランプを点灯し、車両の存在を周囲に知らせる
- 発炎筒や停止表示板を使って後続車に注意喚起
- 車外に出るのは極力避け、出る場合は安全な場所へ避難
- 警察やJAF、ロードサービスへ連絡して早急な移動を依頼
状況によっては、他の運転者に通報してもらうことも選択肢です。
道路交通法上のポイント
道路交通法第45条において、「トンネル内では停車・駐車をしてはならない」と明記されています。ただし、「危険防止のためやむを得ないとき」はこの限りではありません。
しかしその際も、その後の対応の適切さが重要で、適切な措置が講じられなければ交通違反とされる可能性があります。教習所の問題などで「❌」になるのは、単に止めただけでは不十分であることを示しているのです。
実例紹介:トンネル内の故障トラブル
実際に、あるドライバーが高速道路のトンネル内でエンジン停止。非常駐車帯がなかったため、ハザードをつけ左端に停止。発炎筒を使い、JAFに連絡。後続車への注意喚起が不十分だったため軽微な追突事故が発生。
その後の調査で、非常信号灯の設置が不十分だったとして、形式的に停車違反となった事例もあり、「故障=例外」ではないことがよくわかる事例です。
まとめ:トンネル内での安全確保が最優先
トンネル内での駐停車は法律で厳しく制限されていますが、故障という「やむを得ない事情」があったとしても、それがすぐに違反免除になるとは限りません。重要なのは、その後の安全措置の実施と、第三者への配慮です。
万が一の際には、落ち着いて正しい対応をとることで、自分だけでなく周囲の安全を守ることができます。
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