中古車を購入した直後に、前オーナーのドライブレコーダー映像から事故の痕跡を発見するという事例は、近年まれにあるケースです。この記事では、購入後に事故歴が発覚した場合の法的対応や交渉方法、損害補償請求のポイントについてわかりやすく解説します。
「事故歴なし」の定義と中古車販売店の告知義務
中古車販売時における「事故歴」とは、一般的に修復歴車(フレームなど重要部分の修理歴がある車)を指します。ドアやバンパー程度の軽微な修理は含まれないことが多く、販売店もそれに基づいて「無事故車」と説明することがあります。
しかし、故意に重要な事故歴を隠して販売した場合、「不実告知」に該当する恐れがあり、消費者契約法や民法上の損害賠償請求や契約取消の対象となりえます。
ドライブレコーダー映像が示す「追突音」は証拠になるのか
ドライブレコーダー映像に「ドン」という音や揺れ、前オーナーの驚きの声があったとしても、それだけでは事故の程度や損傷の有無を立証するには不十分です。あくまで事故の可能性を示す参考資料として扱われます。
例えば、専門の整備工場で点検を受け、追突による損傷の痕跡が見つかれば、より強い証拠となり、販売店への申し出にも説得力を持たせることができます。
納車から日が浅い場合の対応方法
納車から日が浅い場合(今回のように3日程度)、すぐに販売店へ連絡し、ドライブレコーダーの映像と整備点検結果を提示して説明を求めることが重要です。この時点では「虚偽告知があったのではないか」というスタンスで話し合いましょう。
販売店が応じない場合には、消費生活センター(国民生活センター)や自動車公正取引協議会などの第三者機関へ相談するのも有効です。
損害賠償や差額請求の可能性
実際にフレーム修復歴が確認され、「事故歴なし」という説明が虚偽だった場合、相場価格との差額(価値減)や修理費用、最悪の場合は契約解除(返品)も請求可能です。
たとえば同一車種・年式・走行距離で、修復歴ありとなしの差額が30万円程度ある場合、それを根拠に請求することができます。
ビッグモーターなど大手販売店での対応例
大手販売店では、苦情や訴訟リスクを回避するため、ある程度の証拠が揃えば迅速な対応をとる場合があります。修理費用の負担、査定額の補填、代替車両への交換なども交渉次第では可能です。
この際、録音記録やメールでのやり取りを残すことが、後の交渉や法的対処に有利になります。
まとめ:まずは冷静に、証拠を整理して対応しよう
事故歴の有無は中古車購入において重要な判断材料です。納車直後に不審な点が発覚した場合は、まず証拠を確保し、冷静に販売店に説明を求めることが大切です。法的措置を含めた対応も視野に入れつつ、専門機関や弁護士のアドバイスも検討しましょう。
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