トヨタ86(およびスバルBRZ)は自然吸気エンジンを搭載したFRスポーツとして、多くのエンスージアストに支持されています。とはいえ「もう少しパワーが欲しい」と感じる人も少なくありません。この記事では、86の馬力を上げるためにできることを、排気系の変更を含め、段階的かつ実践的に解説します。
馬力アップにアプローチする基本的な考え方
自然吸気エンジンのパワーを向上させるには、吸気・排気・点火・燃料供給・制御(ECU)などを総合的に見直す必要があります。
一つのパーツを変えるだけでは劇的な変化は得られにくく、各パートのバランスを整えて初めて効果的な馬力アップが実現します。
排気系チューニング:エキマニ・マフラー交換の効果
86のチューニングで定番となっているのが排気系の見直しです。特に効果的なのは、等長or不等長エキゾーストマニホールドの交換です。
たとえば、HKSや藤壺技研などのエキマニに変更すると、排気効率が向上し、5〜10馬力程度アップが期待できます。マフラーとセットで交換すると、より高回転域での伸びが改善されます。
吸気系チューニング:エアクリーナーとインテークの変更
吸気系では、高効率エアクリーナー(HKS、BLITZなど)や、ダクト付きのコールドエアインテークへの交換が有効です。吸気抵抗の低減により、エンジンのレスポンスが向上し、わずかながら出力も上昇します。
ただし、純正ECUが学習補正で調整してしまうため、最大限の効果を得るには後述するECU書き換えと併用するのが望ましいです。
ECUチューニング:制御マップの最適化
吸排気を見直した後は、ECUのセッティングを最適化することで、馬力アップ効果を最大化できます。純正ECUの燃調や点火タイミングは、安全マージンが広く設定されているため、専用チューンを施すことで効率良くパワーを引き出せます。
ECUチューニングでよく知られるブランドには、EcuTek、HKS Flash Editor、PowerWriterなどがあり、+10馬力以上の向上が可能なケースもあります。
ボルトオンターボやスーパーチャージャーという選択肢
もっと明確なパワーアップを狙うなら、過給機(ターボやスーパーチャージャー)の後付けも視野に入ります。これにより、馬力は+40〜100ps以上の飛躍的な向上も可能です。
ただし、取り付けには補機類の強化や冷却系の見直しが必要となり、コストは50万〜100万円以上になることもあります。通勤や街乗りメインの車両にはオーバースペックの可能性もあるため、使用目的に応じた選択が重要です。
実例:吸排気+ECUチューンで実現するNAでのパワーアップ
あるオーナーの例では、以下のようなメニューで出力が約20ps向上。
- HKS等長エキマニ+リーガルマフラー
- BLITZ SUSパワーエアクリーナー
- ECUTEK ECUチューン(DYNOセッティング)
シャシダイ測定値で145ps→165ps程度まで向上。体感でも中〜高回転域の加速力が明確に変化し、サーキットや峠道での走行がより楽しめる仕様になっています。
まとめ
トヨタ86で馬力を上げるには、排気系だけでなく吸気やECUの見直しを含めた総合的なチューニングが効果的です。段階的に手を加えていくことで、コストを抑えつつ自分好みのフィーリングを実現できます。チューニングの目的を明確にし、自分にとって最適なパワーアップ方法を見つけましょう。
コメント