車検を終えたばかりなのに、車に貼られたステッカーや整備記録に「次回定期点検は1年後」と書かれていて戸惑った経験はありませんか?「車検って2年ごとじゃなかったの?」という疑問を持つのは当然です。この記事では、車検と定期点検の違い、ステッカーに記載されている日付の意味、そして混乱しやすい点について、実際のケースを交えて解説します。
車検と定期点検は別の制度
まず押さえておきたいのは、車検(自動車検査)と定期点検(法定点検)は制度上まったく別のものであるという点です。
車検とは、国が定めた保安基準に適合しているかを確認する検査で、乗用車であれば通常2年ごと(新車は初回3年)に受ける必要があります。一方、定期点検とは日常の使用で劣化する部品や安全性を維持するための整備点検で、12ヶ月ごと(1年点検)と24ヶ月ごと(車検時点検)に実施が推奨されています。
ステッカーに書かれた「次回点検期限」とは
車検後に貼られるステッカーには、「次回の車検期限(満了日)」とともに、「法定12ヶ月点検の目安」が記載されていることがあります。これがまさに「次回定期点検:令和8年6月までに」などと書かれている部分です。
つまり、この記載は「車検期限」ではなく「法定12ヶ月点検の目安」を示しているだけで、車検そのものの期限とは異なります。
なぜ12ヶ月点検が必要なのか?
12ヶ月点検は、法律で義務付けられている「法定点検」の一つです。ただし、受けなくても罰則はありません(車検と違い、未実施でも違反にはならない)。
とはいえ、安全性や車両の維持管理の観点からは実施が望ましいとされ、ディーラーや整備工場でも車検後に「1年後の点検」を促す形でステッカーに記載することが一般的です。
特にメーカー保証やリース契約車両などでは、12ヶ月点検の記録が重要になることもあります。
実例:令和7年5月の車検と令和8年6月の点検記載
今回のように、令和7年5月29日に車検を受けた場合、次回車検満了は令和9年5月28日になります。これは通常の2年後です。
一方で、「令和8年6月までに定期点検を」と書かれているのは、その中間に当たる「12ヶ月点検(1年点検)」の期限を示しているに過ぎません。
つまり、「9年の間違いでは?」という疑問はもっともですが、点検と車検の記載が混在していて誤解を招きやすいのが実情です。
点検ステッカーの見方と混乱を防ぐポイント
ステッカーには以下のような情報が書かれています。
- 車検の実施日(例:令和7年5月29日)
- 点検実施予定日(例:令和8年6月)
- 整備工場名や点検担当者情報
「車検=2年」「12ヶ月点検=1年ごと」と覚えておけば、表記がどちらを指しているか見分けやすくなります。
まとめ:車検は2年ごと、点検は1年ごとで混乱しないように
車検と点検は制度上別のものであり、ステッカーや記録に書かれている日付が「車検期限」ではなく「次回点検期限」を示しているケースが多くあります。
令和7年に車検を受けた場合、次回車検は令和9年。令和8年に実施推奨の点検はあくまで12ヶ月点検です。混乱しないよう、車検証の「有効期間の満了日」を確認するのが一番確実です。
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