スズキのハイブリッドに搭載される『3.1ps/50Nmモーター』とは?性能と役割をやさしく解説

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最近のスズキ車に搭載されている『3.1ps/50Nm』のマイルドハイブリッド用モーター。その数字だけを見てもイメージしにくいかもしれません。この記事では、このモーターのスペックが実際にどんな性能を持ち、どういった場面で活躍するのかを、車の初心者にも分かりやすく解説します。

まず「3.1ps」とはどんな意味?

「ps」はドイツ語の「Pferdestärke(馬の力)」を意味する単位で、1psはおよそ0.986馬力。つまり3.1psは約3馬力ということになります。

車のエンジンが80〜100馬力前後あるのに対して、この3.1psというのは非常に控えめな数字に見えるかもしれませんが、これは車を「加速させる」ためというよりは「サポートする」ための出力です。

トルク50Nmの方が実は重要

ps(馬力)はエンジンの力を時間あたりの仕事量として表す数値ですが、実際の走行感に直結するのは「トルク(Nm)」のほうです。トルクは「回す力」で、特に発進や低速加速時の力強さに関係します。

50Nmというトルクは、ガソリンエンジンの660cc軽自動車のトルク(約60〜70Nm)と比べても十分な数値です。つまり、このモーターは発進時や坂道発進のサポートにしっかり役立っています。

このモーターの主な役割は「補助」

スズキのマイルドハイブリッドシステム(S-HYBRID)では、エンジンだけで走るのではなく、この小さなモーターが発進や加速時に一瞬だけサポートをして燃費を向上させています。

例としては、赤信号から青信号に変わったときの発進、上り坂でアクセルを踏み込んだときなどに、モーターがエンジンに負荷をかけずに動きを補助し、スムーズな走りと燃費改善に貢献します。

燃費や静粛性への貢献も大きい

このモーターは発電機(ISG)と一体になっており、減速時のエネルギーを回収してバッテリーに蓄電。蓄えた電力でモーターを駆動するという仕組みです。これにより、エンジンへの負担が減り、燃費が良くなるだけでなく、エンジン音も静かになります。

具体的には、スズキのソリオやワゴンRスマイルなどでは、このシステムによりリッター20km以上の燃費性能を実現しています。

実際の運転で感じるメリットとは

例えば、市街地でのストップアンドゴーが多い環境では、この補助モーターが滑らかな加速を助け、燃費の悪化を防ぎます。また、モーターはエンジンとは違い即時にトルクを発揮できるため、出だしの「もたつき」を抑えてくれる点も実感できるポイントです。

エンジンと一体ではなく、あくまで「アシスト」ですが、こうしたモーターがあるだけで毎日の運転が快適になり、ガソリン代も抑えられます。

まとめ:3.1psのモーターは小さくても賢く働く

スズキのハイブリッドに搭載されている3.1ps・50Nmのモーターは、スペックだけを見ると控えめですが、実際の走行では低速トルクの補助や燃費改善、静粛性の向上など、多くの恩恵があります。

単なる「数字」だけで判断せず、車の仕組み全体の中での役割を知ると、このモーターの価値がより明確になります。これからハイブリッド車を選ぶ方も、ぜひ注目しておきたいポイントです。

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