平成初期(1989年〜1995年頃)は日本の自動車産業が技術的にもデザイン的にも飛躍した時期でした。経済的な余裕とバブル期の勢いを背景に、多くの自動車メーカーが意欲的なモデルを次々と世に送り出しました。その中でも、現在まで語り継がれる“名車”にはどのような車種があるのでしょうか。この記事では、当時を代表するクルマたちを振り返りながら、なぜそれらが名車と呼ばれるのかを探っていきます。
ホンダ シビック(EG6/VTi)
平成初期のコンパクトスポーツとして高い評価を受けたのが、ホンダ・シビック(5代目、通称EG6)です。軽量ボディにVTECエンジンを搭載し、NAエンジンながらパワフルな走行性能を誇りました。
特に「VTi」や「SiR」グレードに搭載されたB16A型エンジン(160ps)は、走りを愛する若者の憧れの的でした。現代でも中古車市場で根強い人気を誇ります。
日産 スカイラインGT-R(BNR32)
平成元年(1989年)に登場したR32型スカイラインGT-Rは、“平成の怪物”とも称され、名実ともに伝説の車となりました。
直6ターボエンジンRB26DETTに加え、日産が誇る四輪駆動システム「ATTESA E-TS」や四輪操舵「SUPER HICAS」を搭載し、サーキットでも市販車最速を記録するなど、その性能は圧倒的でした。
マツダ RX-7(FD3S)
1991年に登場した3代目RX-7(FD3S)は、ロータリーエンジン車の集大成とも言える存在です。ツインロータリーの13B-REWエンジンは、コンパクトながら280馬力を発揮し、美しい流線型ボディとともに多くのファンを魅了しました。
アニメ「頭文字D」に登場したことでも知名度を上げ、現在でもロータリー愛好者にとってのアイコン的存在です。
トヨタ セリカGT-FOUR(ST185)
トヨタのWRC(世界ラリー選手権)参戦車として活躍したセリカGT-FOUR(ST185型)は、ラリーでの成功も相まって「本物の走り」を求めるユーザーに人気を博しました。
ハイパワーの2.0Lターボエンジンとフルタイム4WDの組み合わせで、オンロード・オフロード問わず高い走行性能を誇りました。
ユニークな存在:スズキ カプチーノ&マツダ ユーノスロードスター
軽スポーツカーとして誕生したスズキ・カプチーノは、コンパクトながらFRレイアウトで本格的な走りが楽しめる1台でした。
一方で、ユーノスロードスター(NA型)は「ライトウェイトスポーツ」の復権を象徴する車として世界中でヒット。現在でもシリーズが続く人気車種となっています。
まとめ:平成初期は多様な名車が生まれた時代
シビック、スカイラインGT-R、RX-7、セリカGT-FOURなど、平成初期は自動車技術と個性がぶつかり合った“名車”の黄金期でした。現代の車とは異なる味わいや熱量がそこにはあります。
当時のクルマに魅了された人々にとって、これらの名車は単なる交通手段ではなく、青春や情熱を乗せた特別な存在なのです。
コメント