緊急時の安全対策として義務付けられている発煙筒。いざという時に備えて車内に常備している方も多いでしょうが、実際にどの程度の煙が出るのか、体験したことがないと不安になるかもしれません。本記事では、発煙筒の発煙量や使い方、注意点まで詳しく解説します。
発煙筒の基本的な役割と種類
発煙筒は、主に車両が故障や事故などで停止した際に、他車に自車の存在を知らせるための視覚的な警告装置です。種類には、火薬式とLED式があります。
火薬式の発煙筒は、炎と煙で視認性を確保する従来型で、有効時間はおおよそ5分間。対してLED式は火を使わず安全ですが、煙は出ません。
煙の量はどれくらい?視認距離と広がりの実際
火薬式発煙筒から発生する煙は非常に濃く、晴天時でも約200〜300メートル先から確認できるほどの視認性があります。
実際の使用例では、道路上に煙がもくもくと広がり、周囲のドライバーから十分に確認できるほどの白煙が数分間持続します。煙は風向きや強さによって流されますが、晴れた日には約10〜20秒で高さ2〜3メートル、横方向に10メートルほど広がります。
実例:高速道路上での発煙筒使用
実際に高速道路上でエンジントラブルにより発煙筒を使用したケースでは、発煙後すぐに後続車が減速を開始し、追突事故を回避できたという報告があります。
このように、発煙筒の煙はかなり目立つため、暗闇だけでなく昼間の使用にも十分効果的です。
使用時の注意点と正しい扱い方
発煙筒を使用する際は、安全を最優先にしなければなりません。以下の点に留意しましょう。
- 発煙筒は車外、なるべく車体から離れた位置で使用する
- 発煙中は触れない(非常に高温)
- 使用後は金属部分が熱いため回収は完全に冷めてから
また、JAFの緊急時対応ガイドなども参考にすると、より実践的な知識が得られます。
LED発煙筒との比較:煙が出ないタイプの特徴
最近では、LEDを用いた電池式の発煙筒も普及しています。こちらは煙が出ず、環境への負担が少ない一方で、視認距離や注意喚起力はやや劣ると言われています。
夜間や濃霧ではLEDの点滅が有効ですが、昼間の事故現場ではやはり煙が目立ちやすく、火薬式の方が有利です。
まとめ:発煙筒の煙は非常時の命綱
火薬式の発煙筒から出る煙は非常に濃く、距離があっても視認しやすいレベルで広がります。いざという時に命を守るために欠かせない道具であり、定期的な有効期限の確認と適切な取り扱いが重要です。
不安がある方は、練習用や展示デモの映像を一度確認してみるのも良いでしょう。
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