エンジン出力の単位「kW」と「PS」の違いと換算方法をわかりやすく解説

車検、メンテナンス

車やバイクのスペック表でよく見かける「kW(キロワット)」と「PS(馬力)」。どちらもエンジンの出力を示す単位ですが、数字が異なるため混乱しやすいポイントです。本記事ではkWとPSの違いや換算方法、さらには実際の例を交えてわかりやすく解説します。

◆ kWとPSの違いとは?

まず、kW(キロワット)は国際単位系(SI)に基づくエンジン出力の標準的な単位です。一方、PS(ドイツ馬力、Pferdestärke)はドイツや日本など一部地域で用いられてきた出力の単位です。

日本では、昔ながらのカタログ表記や会話では「◯◯馬力」とPS表記が使われることが多いですが、現在はkW表記が主流になりつつあります。

◆ 換算式と簡単な計算方法

kWとPSの間には以下の換算式があります。

  • 1kW ≒ 1.36PS
  • 1PS ≒ 0.7355kW

たとえば、エンジン出力が「100kW」の場合。

100kW × 1.36 ≒ 136PS

逆に、「150PS」のエンジンなら。

150PS × 0.7355 ≒ 110.33kW

◆ なぜkW表記が増えているのか

kWは国際単位系(SI)に準拠した表記であるため、グローバルな標準化の一環として多くのメーカーが採用しています。EUを中心とする地域ではkWが法的に使用義務付けられていることも背景にあります。

日本でも道路運送車両法の型式認定などでkW表記が用いられ、カタログでは「kW(PS)」と併記されるケースが増加しています。

◆ 実車のスペック比較で理解を深める

例:トヨタ・プリウス(2024年モデル)

  • システム出力:103kW
  • 換算すると:約140PS(103 × 1.36)

例:ホンダ・N-BOX(軽自動車)

  • 出力:43kW(ターボ車で47kW)
  • 換算すると:約58PS〜64PS

このように、kWを見てもPSの感覚があるとイメージしやすくなります。

◆ 車選びではどちらを参考にすべき?

kWとPSは単位の違いに過ぎないため、基本的にはどちらを参考にしても問題ありません。ただし、輸入車のカタログではkWのみ表記されることがあるため、PSとの変換が必要な場面もあります。

また、チューニングや改造の世界では「馬力」で語られることが多く、特に高性能車ではPSの数値が重視される傾向があります。

◆ まとめ:エンジン出力の理解に役立つ単位換算

kWとPSはエンジン出力を示すための単位であり、どちらも本質的には同じ意味を持っています。1kW≒1.36PSという換算式を覚えておけば、スペック表やカタログの読み解きが格段にしやすくなるでしょう。

車選びやパフォーマンスの比較を行う際の基礎知識として、ぜひこの換算方法を役立ててください。

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