運転免許証のICチップはどれくらい曲げに耐えられる？破損リスクと注意点を解説

運転免許証にはICチップが内蔵されており、券面情報以外にさまざまな個人情報が電子的に記録されています。最近ではスマートフォンのようにICリーダーで読み取る場面も増えてきましたが、そのICチップはどの程度の衝撃や曲げに耐えられるのでしょうか？

ICチップの構造と耐久性

運転免許証のICチップは、カード中央付近に埋め込まれており、外部からは見えません。このICチップは基本的に耐久性が高く、多少の曲げやねじれでは簡単に破損しないように設計されています。

ただし、数回程度の軽い曲げでは破損しなくても、繰り返し力をかけると徐々に内部回路が断線する可能性があります。完全に破損する前に読み取りエラーなどが発生することもあるため、注意が必要です。

実際の破損事例では、「ズボンのポケットに入れたまま座った」「財布の隅で強く曲がっていた」などの日常的な場面でICチップが壊れていたという報告があります。ICチップ自体は柔軟性があるわけではなく、強い力や一点に集中した応力には弱いのが特徴です。

たとえば、ICチップ部分をつかんで力をかけるような曲げ方や、財布の中で他のカードや金具と接触して常に圧力がかかっている状態はリスクが高まります。

ICチップが破損しても、免許証そのものは有効です。券面に記載された内容（顔写真や住所、免許区分）はそのまま使えます。ただし、ICチップが読み取れないと「本人確認」などの一部手続きに支障が出ることがあります。

特に、マイナンバーカードと同じくIC読み取りを前提とした「スマホでの本人確認」や「コンビニ証明書発行サービス」などでは、不便になる可能性があります。

免許証をICカードリーダーで読み取れない、IC対応の行政手続きができないなどの症状がある場合、最寄りの運転免許センターや警察署で再発行の手続きを行うことが可能です。

この際、ICチップの故障が自然劣化でないと判断されれば、再発行手数料（通常は3,500円程度）がかかる場合があります。ただし、破損の原因や状態によっては無料で対応されることもあります。

運転免許証は財布のカードポケットに入れている方が多いと思いますが、硬いプラスチック製のケースやカードホルダーを使うことで曲がりを防止できます。

また、磁気や静電気の強い場所、スマホとの密着保管も避けた方が安全です。スキミング防止カードなどを間に挟むことで、ICチップの保護と個人情報の漏えい防止にもつながります。

運転免許証のICチップは、日常的な取り扱いで簡単に壊れるものではありませんが、無理な曲げや圧力には弱く、繰り返しのストレスで破損する可能性があります。

破損を防ぐには、正しい保管方法を心がけることが重要です。もし不具合が出た場合は早めに再発行手続きを行い、安全な利用を継続しましょう。