一時代を築いた2ストロークエンジン搭載の原付バイク、通称“羽付き原付”——その代表格がヤマハJOG ZRやホンダDio ZXです。90年代後半から2000年代初頭にかけて、若者の間で絶大な人気を誇ったこれらのバイクは、今でも現役で走っているのでしょうか？今回は、現在の状況や見かける地域、残存車両の傾向などについて掘り下げてみます。
2スト原付が人気を集めた理由とは？
2ストロークエンジンは、構造が単純で軽量かつ加速性能が高く、特に短距離走行やストップ＆ゴーが多い街中でその性能を発揮しました。JOG ZRやDio ZXはその中でもスポーティーなデザインと“羽（リアスポイラー）”で注目を集め、当時の若者のステータスシンボル的存在でした。
また、当時の純正仕様でも最高速度が規制ギリギリの性能を持ち、カスタムベース車両としても人気がありました。
現在も走っている地域は？
地方都市や郊外では、今でも2ストJOG ZRやDio ZXを見かけることがあります。特に交通量がそこまで多くない地域や、原付の維持費の安さを重視する層の多いエリアでは、古い原付が長く使われる傾向にあります。
一方、都市部では環境意識や排ガス規制の関係で、2スト原付の姿は少なくなっており、バイク通勤に電動バイクや4ストスクーターが主流になりつつあります。
排ガス規制と生産終了の影響
2000年代以降、排出ガス規制が強化されたことにより、国内メーカーは次々と2スト原付の生産を終了。これにより、現在新車で購入できる2スト原付は存在しません。
そのため、現在走っているJOG ZRやDio ZXはすべて中古車市場や個人売買を通じて流通している車両です。部品の供給も年々減少しており、整備にはある程度の知識や手間が必要になっています。
今も乗り続けるメリットとデメリット
メリット：
- 2ストならではの力強い加速感
- 軽量で取り回しがしやすい
- レトロなスタイルが逆に新鮮
デメリット：
- 燃費が悪くオイル代もかかる
- 騒音・排気ガスの問題
- 部品入手の困難さと整備コストの増加
特にメンテナンス面での手間が増えるため、知識のない人にはややハードルが高い選択かもしれません。
2スト原付の今後と維持のコツ
2スト原付を今後も維持するには、定期的なメンテナンスとパーツの確保がカギとなります。信頼できるバイクショップや、部品供給が安定している中古パーツ市場の情報を把握しておくと安心です。
また、2スト原付が減っていく中で、旧車としての価値が高まる可能性もあります。特にオリジナル状態が保たれている個体は、コレクターの間で需要があります。
まとめ：2ストJOG ZRやDio ZXはまだまだ健在、でも希少に
かつての人気車種、JOG ZRやDio ZXは今でも一部地域では現役で走っています。とはいえ、排ガス規制と部品供給の問題から数は減少傾向です。メンテナンスに手間を惜しまなければ、今でも十分に走れる魅力あるバイクです。
街中で“羽付き”を見かけたら、それは今では貴重な存在かもしれません。そんな視点でバイクを眺めると、また違った楽しみが生まれるかもしれません。
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