統一感のあるデザインと車名規則でブランド戦略を展開する自動車メーカーの特徴とは?

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近年の自動車業界では、ブランドイメージを強化するために車名やデザインを統一させる動きが見られます。一方で、個性豊かなネーミングや多様なデザインを展開するメーカーも存在します。本記事では、それぞれのアプローチとその背景について解説します。

統一されたフロントデザインと車名規則のあるメーカーとは

マツダやメルセデス・ベンツのように、共通したフロントフェイス(顔つき)を持ち、車名にも一定の規則性を持たせているメーカーは、業界用語で「コーポレートフェイス」や「モジュールデザイン戦略」を採用しているメーカーと表現されます。

マツダの場合、「魂動デザイン」と呼ばれるデザイン哲学に基づいて、CX-3、CX-5、CX-60などSUVにおいては「CX-○○」という車名体系で統一されています。これは一目でマツダ車とわかるようにするブランド戦略です。

メルセデス・ベンツでは、車名にA、C、E、Sといったクラス表記を使い、それに対応するボディサイズと価格帯を分けています。フロントグリルやライト形状も似ており、「どれを見てもメルセデス」とわかる安心感を与えています。

個性的な車名やデザインを展開するメーカーの特徴

一方で、トヨタやホンダなどのメーカーは、モデルごとに異なるフロントマスクや車名を持たせ、車種ごとの独立性を重視しています。これらは「多様性重視型」または「マルチブランド戦略」と呼ばれることがあります。

たとえば、トヨタには「プリウス」「アクア」「クラウン」「ヴェルファイア」など、車名に明確なルールがない一方で、それぞれ異なるイメージを持たせることで、ターゲットごとの訴求力を強化しています。

ホンダも「フィット」「ステップワゴン」「ヴェゼル」など、ユーザーの用途やライフスタイルに合わせた個性ある車名を採用し、多様な選択肢を提供しています。

統一型のメリットとデメリット

統一型(コーポレートフェイス・車名規則あり)のメリットは、ブランド認知が高まり、グローバル市場での一貫性が保てる点です。

しかし、ユーザーにとっては違いが分かりにくく、「どれを選んだらよいかわからない」という声も一部であります。また、保守的な印象を持たれやすいというデメリットも存在します。

多様型のメリットとデメリット

多様型(個性重視型)のメリットは、ユーザーごとに選択肢を広く提供でき、若者向け・高齢者向け・ファミリー向けなどきめ細かな提案ができる点です。

その一方で、車種が多すぎて在庫や部品の管理が煩雑になったり、企業としてのブランディングがやや薄れる傾向があります。

どちらが良いというより「戦略の違い」

結論として、どちらのアプローチが優れているというよりも、「企業の戦略方針」や「対象市場」によって最適な手法が異なるというのが実情です。

統一型は欧州車、特にドイツ車に多く見られ、多様型はアジア圏や新興国市場に強い傾向があります。

まとめ:デザインと車名の規則性はブランド戦略の表れ

車の顔や名前に規則性を持たせることは、ブランドの一貫性と信頼感を与える戦略です。マツダやメルセデスはその代表例で、車名やデザインのルールを守ることでブランドを強固にしています。

一方で、トヨタやホンダのように多彩なモデルとネーミングを用意するメーカーは、多様なニーズに応える柔軟なスタイルが特徴です。それぞれのメリットを知ったうえで、自分に合ったメーカーを選ぶことが満足のいくカーライフにつながります。

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