1996年から1999年製のアメリカ車に乗っていると、OBD2対応機器の選定に困るケースが少なくありません。多くの市販マルチモニターやスキャンツールが2002年以降の規格に基づいて設計されているため、古いアメ車で使えないという声が多く聞かれます。この記事では、この年代の車両に適したOBD2機器を探すポイントや代替手段を解説します。
1996~1999年モデルは“OBD2初期世代”に該当
1996年以降、アメリカではOBD2(オンボードダイアグノスティクス)規格が義務化されましたが、当初は車種ごとに実装内容やプロトコルにバラつきがありました。
たとえば、GM車はSAE J1850 VPW、フォードはSAE J1850 PWM、クライスラーはISO9141など、同じOBD2でも異なる通信方式を採用しており、現行のマルチモニターの多くはこれら初期プロトコルに対応していないケースがほとんどです。
対応できるOBD2マルチモニターを選ぶポイント
まず注目すべきは“対応プロトコル”です。SAE J1850(PWM/VPW)、ISO9141、ISO14230(KWP2000)といった1990年代後半の規格に対応した機器を選びましょう。
例えば、「Autel AL519」や「Innova 3160G」は一部の旧車ユーザーからも支持されており、初期型OBD2プロトコルにも幅広く対応しています。また、Bluetooth接続型の「OBDLink MX+」は旧プロトコル対応が比較的豊富で、スマホと連携した表示も可能です。
事前に自車の通信方式を調べる方法
OBD2のプロトコルは車種によって異なるため、OBD-IIコネクタのピン配置図を見れば、ある程度の推測が可能です。たとえば、ピン2と10に接続されていればSAE J1850 PWM、ピン7のみならISO9141といった判断ができます。
また、「OBD Auto Doctor」や「Torque」などのアプリを使えば、自車の通信方式を自動判別できるケースもあります。
一部の旧車はマルチモニター非対応もあり得る
たとえOBD2ポートがあっても、エンジン回転数や速度などのPID情報が出力されない車もあります。そのため、スキャンは可能でもリアルタイム表示には非対応というモデルも存在します。
このような場合は、スキャン専用の安価なツールでエラー確認を行い、メーター追加などで必要な情報を補完する方法が現実的です。
海外コミュニティから得られる知見も参考に
英語圏のフォーラムでは、「1997 Chevy Suburban」「1998 Ford F-150」など具体的な車種でのOBD2使用報告が数多く投稿されています。Redditのr/OBD2やOldSchoolOBDなどのスレッドを定期的にチェックすると、対応可能なモデルの実体験に基づく情報が得られます。
まとめ:プロトコル対応を見極めて失敗しない選択を
1996~1999年のアメ車においてマルチモニターを使用するには、車両ごとのプロトコルに合致する機種を選ぶことが重要です。新型に比べて情報は少ないものの、根気よく探すことで有効な機器を見つけることは可能です。
市販品が使えなかったからと諦めず、スペックやレビューを丁寧にチェックし、必要ならフォーラムで実際の使用者の声を探してみましょう。
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