自動車を購入する際、「この価格ってどれくらい利益乗ってるの?」と疑問に感じたことがある方も多いでしょう。特に、新車ディーラーが車両をメーカーからどの程度の価格で仕入れているのかは一般に公開されていない部分でありながら、消費者としては気になるポイントです。この記事では、ディーラーの仕入れ価格の実情や利益構造、価格交渉に活かせるヒントまでをわかりやすく解説します。
ディーラーが仕入れる「卸価格」は定価の何割?
新車ディーラーはメーカーから車両を「卸価格(仕切価格)」で仕入れます。この卸価格は公表されていませんが、業界内ではおおよそ定価(メーカー希望小売価格)の約85%〜90%といわれています。
つまり、300万円の車両であれば、ディーラーの仕入れ価格は255万円〜270万円程度というのが目安です。ただし、これはベース車両価格のみの話であり、オプションや諸費用を含めると販売価格と仕入れ価格の差はさらに広がることがあります。
仕入れ価格は車種・グレード・時期によっても異なる
仕入れ率(定価に対する仕入れ価格の割合)は車種やグレードによって違います。人気の高いモデルや新型車は仕入れ値が高く設定され、逆に販売台数の少ないモデルや在庫車などは仕入れ値が下がることもあります。
また、四半期末や決算期など、メーカーの出荷台数が求められるタイミングでは、ディーラーに対してインセンティブ(販売奨励金)がつくこともあり、実質的な仕入れコストが下がる場合もあります。
利益は車両本体だけじゃない?ディーラーの収益源
ディーラーの利益は車両本体の差額だけではありません。以下のような付帯サービスからも収益が得られます。
- メーカーからの販売報奨金(販売台数に応じて支給)
- オプション販売(ナビ、ドライブレコーダー、ボディコートなど)
- 延長保証やメンテナンスパックの販売
- 自動車保険やローン契約の紹介料
したがって、車両価格自体の利益率が低くても、これらの周辺サービスで総合的に利益を確保しているのが一般的です。
値引き交渉に活かせる「仕入れ価格」の考え方
ディーラーがある程度の利益を上げる必要があるのは当然ですが、仕入れ価格を理解しておくことで、過度な利益が乗っていないかを判断する目安になります。
たとえば、300万円の車で最終的に15万円〜20万円の値引きが提示された場合、それは仕入れ価格との差を踏まえて「妥当」とされる水準に近いと言えるでしょう。
交渉では車両本体の値引きだけでなく、オプションや諸費用のサービス・無料化交渉も効果的です。営業担当は付帯部分の裁量が大きいため、うまく使うことで実質的な総額値引きが可能になります。
まとめ:ディーラーの仕入れは定価の85〜90%前後が目安
新車ディーラーの仕入れ価格はおおむね定価の85〜90%とされており、利益は車両本体だけでなく、オプション販売やサービスなどからも得られています。消費者としては、こうした構造を理解することで値引き交渉の余地を見極める参考になります。
大切なのは、価格交渉を「対立」ではなく「納得」のための対話として進めること。しっかりとした知識を持ち、スマートに交渉することで、より納得のいく購入ができるでしょう。
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