ETC(Electronic Toll Collection System)は、高速道路の料金所をスムーズに通過できる便利なシステムですが、中古車購入時に「すぐに使えるのか?」「名義が違っても大丈夫か?」といった疑問を持つ方も少なくありません。この記事では、中古車に搭載されているETC車載器をすぐに使う際のポイントや注意点を解説します。
ETCの基本的な仕組みとは?
ETCは車載器とETCカードの組み合わせで機能します。車載器が料金所のアンテナと無線通信を行い、ETCカードに紐づくクレジットカード情報から通行料が自動決済される仕組みです。
このため、車両に設置されているETC車載器が正常に動作し、かつ有効なETCカードを挿入すれば、基本的に名義が異なっていても通行は可能です。
中古車のETCはそのまま使って大丈夫?
結論から言うと、ETC車載器の登録名義が以前の持ち主のままでも、ETCカードが有効であれば高速道路の通行はできます。料金所の機器は車載器の名義や車両情報を確認しているわけではなく、ETCカードの決済情報に基づいて通行処理されるためです。
ただし、ETCマイレージサービスなどの特典を受けるには、車載器の再セットアップ(名義変更)が必要です。また、事故や盗難など万が一の際には登録情報と使用実態が異なるとトラブルになる可能性もあるため注意しましょう。
再セットアップとは?必要な理由と手続き
ETC車載器の「再セットアップ」とは、新しい所有者の車両情報に紐付けてETC機器の登録内容を更新する作業です。これはカー用品店やディーラーなどで有料で行えます(費用は3,000円〜5,000円程度)。
セットアップが必要となる主な理由は以下の通りです。
- ETCマイレージサービスを利用するため
- 安全面・法令遵守のため
- 高速道路会社が求める適正利用に応じるため
特に法人名義から個人名義、またはその逆に変わる場合は、原則再セットアップが必須となります。
ETCカードは誰のでも使えるの?
ETCカードは基本的に発行された本人が使用することが前提です。家族間の貸し借りは黙認されているケースもありますが、原則として他人名義のカード使用は利用規約違反です。
クレジットカード一体型のETCカードは特に厳格で、万が一の事故や不正使用時に補償対象外となる恐れもあります。したがって、できるだけ自身名義のETCカードを使用することをおすすめします。
実際のケース:中古車を購入したAさんの体験
例えば、中古車販売店でETC車載器付きの軽自動車を購入したAさんは、納車当日に自身のETCカードを挿入して高速道路を利用しました。料金所は問題なく通過できましたが、後日ETCマイレージ登録を試みたところ、旧オーナー情報が残っていたため再セットアップが必要と判明。
この経験から、Aさんは「通行できること」と「完全に自分の車両として利用できること」は別問題だと感じ、後日カー用品店で再セットアップを済ませたとのことです。
まとめ:通行はできるが名義変更はすべき
中古車のETC車載器に自身のETCカードを挿せば、名義が異なっていても通行自体は可能です。しかし、マイレージの登録や将来的なトラブル防止のためには再セットアップを強く推奨します。
高速道路の利便性を安全に享受するためにも、ETC車載器の再登録と、自分名義のETCカードの使用を心がけましょう。
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