ディーラーの点検パックに加入している場合、車検を他の整備工場で受けると「損をする」と案内されることがあります。しかし、年式や走行距離の進んだ中古車において、実際にディーラー車検が経済的かどうかはケースによって異なります。この記事では、13年経過した平成24年式アクアの事例をもとに、点検パックのしくみや車検費用の内訳を踏まえて冷静に見極めていきます。
ネッツトヨタの点検パックとは?
点検パックは、半年ごとの法定点検や車検整備などをパッケージ化したもので、先払いで加入するケースが一般的です。車検時の整備費用が一部含まれているため、車検時に別の整備工場に出すとその分のサービスが未消化となり、結果的に「損をする」と説明されるわけです。
ただし、車検費用全体をカバーしているわけではなく、実費で支払う法定費用(自賠責保険・重量税・印紙代)や消耗部品の交換代は別途必要です。
13年落ちのアクアで車検が7万円台は現実的か?
ディーラーの整備担当者が「7万円くらいで収まる」と案内した場合、それは点検パックを適用した場合の実質負担額と考えられます。車検基本料や法定費用込みで15万円程度かかる内容のうち、点検パックで8万円分ほどがすでに支払われていれば、追加費用が7万円前後になるのは理論上あり得ます。
しかし、13年経過・走行8万km超の車両では、劣化部品の交換や追加整備が必要になるケースが多く、実際には見積もり次第で10万円を超えることも珍しくありません。
ディーラー車検と町の整備工場の違い
ディーラー車検のメリットは、純正部品の使用やメーカーマニュアルに準拠した整備、高度な設備と専門知識です。特にハイブリッド車のアクアの場合、ハイブリッドシステムや制御系のトラブルリスクを考慮すれば安心感は高いです。
一方、町の整備工場は自由度が高く、部品交換の融通が利き、車検費用も全体的に安くなる傾向があります。すでに年数が経った車両で「できるだけ安く済ませたい」「必要最低限の整備で十分」と考えるなら、町工場の選択肢は非常に合理的です。
実際の車検費用の内訳例
項目 | ディーラー | 町工場 |
---|---|---|
自賠責保険(24ヶ月) | 17,650円 | 17,650円 |
重量税(13年経過車) | 24,600円 | 24,600円 |
印紙代 | 1,800円 | 1,800円 |
車検基本料 | 30,000円〜 | 10,000円〜 |
整備・部品代 | 30,000円〜 | 10,000円〜 |
合計目安 | 約100,000円〜 | 約65,000円〜 |
上記はあくまで一例であり、実際の整備内容や部品交換の有無によって費用は大きく変動します。
車検前には見積もりと相談が重要
どこで車検を受けるにしても、事前に見積もりを取り、整備内容と費用をしっかり比較することが大切です。また、点検パックの残高や適用範囲も確認し、どの程度カバーされているのか把握しておきましょう。
さらに、町工場に出す場合でも、過去の整備履歴や交換部品の情報を整理しておくとスムーズです。
まとめ:点検パックがあるなら活用しつつ見積もり比較を
点検パックに加入しているなら、ディーラー車検が一見割安に見えるのは確かです。しかし、13年落ちのアクアでは追加整備の必要性も高く、実際の負担額が7万円に収まるかは車両状態次第です。
最終的には「安心を取るか」「費用を抑えるか」の判断ですが、事前見積もりと丁寧な比較こそが、後悔しない車検選びの鍵になります。
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