カーディーラーにおける新車担当と中古車担当の違いとは？役割とキャリアパスを徹底解説

カーディーラーで働くスタッフには「新車担当」と「中古車担当」が存在しますが、それぞれの役割や求められるスキル、そしてキャリアの進み方には違いがあります。この記事では、業界の現場目線でその違いをわかりやすく解説します。

新車販売担当の主な特徴とは？

新車販売担当は、自動車メーカー直系のディーラーにおいて最も多く配置されるポジションのひとつです。多くの場合、新人や若手スタッフが配属されることが多いです。

理由としては、メーカーから提供される販促資料やキャンペーン、車種の仕様などが標準化されており、比較的販売がしやすい環境であるため、営業スキルを磨くには適しているからです。

中古車担当になるには、車両のコンディション評価や仕入れ交渉、価格設定、整備状態の見極めなど、経験と知識が求められます。そのため、中古車担当はある程度キャリアを積んだ営業スタッフが任されることが多いです。

たとえば「走行距離は短いが年式が古い車」と「年式は新しいが事故歴あり」の車を比べ、どちらが商品価値として高いかを判断し、適切な価格を設定する必要があります。このような高度な判断力は一朝一夕では身につきません。

一概に「中古車担当＝上」「新車担当＝下」とは言い切れません。販売台数や顧客満足度、リピート率などで実績を上げている新車担当は評価が高く、そのままマネージャー職に就くケースもあります。

一方で中古車部門での実績が認められ、独立して中古車専門店を開業する人もいます。つまり、どちらもキャリアの「入口」や「途中」であり、最終的な方向性は人それぞれです。

トヨタやホンダなどの大手ディーラーでは、新車部門と中古車部門が明確に分かれていることが多く、それぞれに専門性を持ったスタッフが配置されます。

一方、地域密着型の中小ディーラーやサブディーラーでは、一人の営業スタッフが新車も中古車も担当するケースも少なくありません。会社の規模や方針によってもキャリアの進め方が変わってきます。

ある大手ディーラー勤務の営業スタッフの例では、「新人時代は新車をメインに担当し、3年後から中古車を並行して扱うようになった」と語っています。

また、「中古車は仕入れの見極めや在庫管理の視点が必要になるため、責任も大きい」と話すベテラン営業もおり、それぞれにやりがいと難しさがあるようです。

新車販売は比較的スタンダードな営業からスタートできるポジションであり、中古車販売はより経験や専門知識が求められる分野です。しかし、どちらが「上」「下」ということではなく、それぞれの道に応じてスキルアップとキャリア形成が可能です。

つまり、「知り合いが新車担当だから新人」「中古車担当だからベテラン」とは一概に言えず、個人の経験や会社の方針によって異なるということを理解しておきましょう。