2025年の道路交通法改正により、原付免許で125ccまでのバイクに乗れるようになったことで注目が集まっています。しかし、乗れる車両には「最高出力5.4馬力(約4kW)以下」という制限が設けられており、これにより性能面で気になる方も多いでしょう。この記事では、規制対象の125ccモデルと、かつての名車NSR50の性能を比較しながら、「どちらが実際に速いのか?」を詳しく解説していきます。
原付免許で乗れる125ccバイクのスペック制限とは?
2025年から新設された“特定小型二輪”の区分では、排気量125cc以下であっても最高出力が5.4馬力(約4kW)を超えると原付免許では運転できません。つまり、見た目は同じ125ccでも、出力に制限のあるモデルしか乗れないということになります。
たとえば、ホンダのスーパーカブ110(約8馬力)は対象外ですが、5.4馬力に抑えた特別仕様モデルであれば運転可能です。これは出力抑制によって安全性を高める目的で導入された制限です。
NSR50とはどんなバイク?
NSR50はホンダがかつて販売していた50ccの2ストロークミニレーサーで、7.2馬力を発揮します。車体の軽量さ(約70kg)と高回転型エンジンにより、同クラスの中では群を抜いた加速性能と最高速を誇りました。
ノーマルでも時速90km前後、チューニングによっては100km/h以上を実現可能なポテンシャルを持つ、まさに“走るための50cc”と呼ばれるモデルです。
5.4馬力の125ccとNSR50の加速・最高速比較
排気量だけで見れば125ccの方が有利に思えますが、実際のパフォーマンスではNSR50の方が優れているケースもあります。5.4馬力の125ccモデルは、重量が100kgを超えることが多く、加速・最高速ともに抑えられています。
車種 | 排気量 | 馬力 | 車重 | 最高速度 |
---|---|---|---|---|
NSR50 | 50cc | 7.2馬力 | 約70kg | 約90km/h |
特定小型125cc | 125cc | 5.4馬力 | 約110kg | 約60~70km/h |
このように、馬力と車重のバランスからNSR50の方が軽快に走行できる場合が多いのです。
なぜ排気量が多くても速くないのか?
バイクの速さを決定づけるのは、単に排気量だけではなく「パワーウェイトレシオ(1馬力あたりの重量)」やエンジン特性、ギア比、エアロダイナミクスなど複合的な要素です。
たとえば、5.4馬力の125ccバイクが110kgだとすると、パワーウェイトレシオは約20.3kg/ps。一方、NSR50は7.2馬力・70kgで約9.7kg/ps。この差が、加速力や最高速度に大きく影響します。
実際にどちらを選ぶべきか?
交通ルールの範囲内で“日常の足”として使うなら、125ccモデルは使い勝手がよく、積載性や燃費にも優れています。ただし「速さ」「スポーツ性能」にこだわるなら、NSR50のような2ストロークモデルに軍配が上がる場面が多いです。
ただしNSR50はすでに生産終了しており、中古車も高騰しています。また、部品の確保やメンテナンスの手間もあるため、趣味として楽しめる方向けと言えるでしょう。
まとめ|数字では語れない実用性能と楽しさの違い
125ccでも原付免許で乗れるバイクは増えつつありますが、5.4馬力の制限によりパフォーマンスは抑えられています。一方でNSR50は軽さと高出力によって、速さでは上回る結果となります。
日常使い重視なら125cc、スポーツ走行重視ならNSR50というように、用途に合わせて選ぶことが満足度を高めるポイントです。
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