中古の軽EVは本当にお得?劣化バッテリーがもたらす維持費への影響と考え方

中古車

軽自動車タイプの中古EV(電気自動車)は価格が手頃で手を出しやすい選択肢として人気があります。しかし、購入前に「バッテリー劣化による燃費(電費)の悪化」「充電頻度の増加」「維持費」などを理解しておくことはとても重要です。本記事では、中古EV購入時のバッテリー劣化による影響と、それに伴うコストの考え方についてわかりやすく解説します。

バッテリー劣化とは?仕組みと影響

EVのバッテリーはリチウムイオン電池が主流で、使い続けることで徐々に劣化していきます。劣化すると最大充電容量が減るため、1回の充電で走れる距離も短くなります。

例えば、新車時はフル充電で120km走れた車が、劣化後は80kmしか走れないようになると、同じ距離を走るのに充電回数が増えることになります。

充電頻度の増加=電気代増とは限らない

バッテリーが劣化すると1回で充電できる電力量(kWh)も少なくなるため、満充電にかかる電気代自体は減る傾向にあります。つまり、「毎日充電する必要がある=電気代が高くなる」というわけではありません。

たとえば、もともと15kWhあった電池が劣化して10kWhになった場合、1回の充電で消費する電力が少なくなるため、1回あたりの電気代は安くなるのです。ただし、走行1kmあたりのコストは新車より割高になる傾向にあります。

維持費に影響するのは「電費」よりも「手間」かもしれない

実際に電費(1kWhで走れる距離)が下がることで充電の頻度は増えますが、電気代としての負担はそれほど大きくはなりません。しかし、充電の手間や時間は確実に増え、使い勝手の悪さにつながることもあります。

また、急速充電に頼ると料金単価が上がるため、場合によっては「電気代が高くなった」と感じることもあるかもしれません。自宅で夜間電力を活用できる環境があると大きな助けになります。

実例:日産リーフ(初期型)で見るバッテリー劣化の影響

初期型の日産リーフ(24kWh)は、10年経過で実容量が約60%程度にまで低下するケースがあります。この場合、航続距離はおよそ70〜80km程度まで落ちるため、毎日の通勤で往復40km以上走る方にとっては、日々の充電が必要になります。

一方で、月間走行距離が少ない方や、毎日こまめに充電することに抵抗がない方にとっては、維持費を抑えてEVライフを始めるには十分魅力的な選択肢です。

バッテリー交換は現実的か?

中古EVの大きなコスト要因のひとつに「バッテリー交換費用」があります。例えば、軽EVのバッテリー交換は約60万〜100万円以上かかることもあり、車両価格より高額になるケースも珍しくありません。

そのため、購入前にバッテリーの状態(SOH=State of Health)をしっかりチェックし、ディーラーや専門店で診断を受けることが重要です。

まとめ:電池劣化は“電費”より“使い勝手”に影響する

バッテリーの劣化が進んでいる中古EVを購入する場合、1回の充電コスト自体は抑えられる傾向にありますが、走行距離が短くなり、充電の手間が増えるという側面があります。結果的に、「燃費(電費)が悪くなる」=「電気代が上がる」とは限らないというのが結論です。

中古EVは価格も手頃で導入しやすいですが、充電設備や走行距離、バッテリー診断結果をしっかり確認し、自分のライフスタイルに合った選択をすることが大切です。

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