2022年に登場した日産アリアは、EVとして注目を集めながらも、価格設定・生産遅延・競合激化などから、商業的に成功したと言えるのか議論が分かれるモデルです。本記事では、グローバル／国内販売実績、収益への影響、現状の評価を整理し、失敗かどうかを客観的に検証します。
① 米国では回復傾向：2024年販売は前年比47％増
クリーンテクニカやEVsmartの報道によると、2024年の米国市場においてアリアは前年比47％増で19,798台を販売し、四半期でも30％超増になるなど着実な伸長が見られます :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
米国市場でEV販売再起の足掛かりにはなっており、“全く売れていない”わけではありません。
② 国内市場では苦戦、販売台数は予想下回る
国内では当初の期待ほど伸びず、月次EV登録数ではリーフやサクラと比較しても低水準 :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
価格（400万円後半〜600万円台）や充電設備の整備状況、自宅充電環境の有無が敬遠理由とされており、日常ユースでの導入障壁が高い点も指摘されています :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
③ 生産面のトラブルとコスト負担の重さ
2023年に生産ラインで高い自動化導入に伴うチップ・塗装障害が発生し、計画台数の3分の1程度しか作れなかったとの報道もあり :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
その後もグローバルEV戦略の見直しやコスト圧縮が必要とされ、アリア単体の収益への貢献は未達成感が残ります :contentReference[oaicite:5]{index=5}。
④ グローバルでは中核EV、ただしボリュームモデルとは言い難い
世界累計100万台突破のEV戦略ではリーフと共にアリアが柱と位置付けられていますが、ボリュームモデルには至っておらず :contentReference[oaicite:6]{index=6}。
欧州や米国では受け入れられつつあるものの、テスラなどの先行モデルに対して販売規模では圧倒的な差があることも事実です :contentReference[oaicite:7]{index=7}。
⑤ 現在の評価は「失敗」より「課題山積だが前進中」
市場評価として、失敗と断じるには早すぎます。販売面・コスト面・ポジショニングなどに課題は多いものの、完全な失敗作とは言い難い状況です。
アリア効果でEV戦略に遅れがちだった日産が再び踏み出したことは評価でき、現在は改善と次期モデルへの展望が問われるフェーズです :contentReference[oaicite:8]{index=8}。
まとめ：失敗作か？→「一歩前進だが乗り越えるべき壁あり」
国内では期待に届かない苦戦、しかし米国・欧州では着実に存在感を見せるアリア。生産面や価格設定の課題はある一方、EV戦略の立て直しというミッションは一定の成果を見せています。
したがって「失敗作」と断言するには時期尚早ですが、今後の改善と普及戦略の成否が、最終評価を左右する段階にあると言えるでしょう。
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