2021年12月発売の新型ピクシスバン(S700系)は、旧型ベンチシートと異なりリアシートが水平格納する仕様に変更されました。そのため座席とラゲッジスペース間に隙間ができてしまいますが、「旧型ベンチシートへの換装は可能か?」という悩みに応える内容を、互換性・手順・注意点を交えて解説します。
新旧シート構造の違い
旧型(S321/S331)ではリアベンチシートの背もたれを180度倒して、フラットなラゲッジスペースを作れました。
一方新型では、分割式のセパレートシートで水平格納するタイプになっており、倒した際に座席とラゲッジの間に隙間が生じる構造変更が大きな違いです。
旧型ベンチシートへの換装は可能か?
結論から言えば、完全なポン付けではなく、加工やアダプターの追加が必要になるケースが多いです。
中古車情報などでは、「クルーズ系グレードをビジネスパックにすると旧型ベンチシート設定が可能」という記述もありますが、S700系では専用仕様なので
- 取り付けボルト位置
- ヒンジやレールの形状
- シートベルトのアンカー位置
などが変わっており、旧型品の流用には調整が必要と考えられます。
実際の換装手順と加工例
ステップ例:
①旧型シートを入手し、新型車体に仮載せしてボルト穴・ヒンジ位置を確認。
②必要に応じて鉄板スペーサーやカット加工、穴開け加工を施してボルト穴位置を調整。
③シートベルトアンカーの干渉がないか確認し、ラゲッジとの隙間が埋まる形状にシムを追加。
④取り付け後、実際に人を載せた状態でガタつきや固定強度をチェック。
費用とリスクを整理
DIYで鉄工・加工まで行う場合は、工具・材料込みで数万円~かかる可能性があります。また、メーカー保証外となるため万が一のトラブルには自己責任です。
一方、専門ショップに依頼すると、シート脱着・加工・調整コミで10万円以上になることもあります。
互換性を活かす代替案
「完全フラット化」ではなく、「ラゲッジ専用ベッド化カバー」を使うのも一つの手です。新型専用品であれば、隙間に合わせた設計になっており、工具不要で簡単に設置できます。
また、旧型リアシートを扱う業者に相談すれば、”S700系専用アダプター付きセット”として加工済品で販売されていることもあります。
まとめ
新型ピクシスバンへの旧型ベンチシート換装は「完全ポン付け不可」で、ボルト位置やヒンジ形状の違いから加工や調整が必須です。
DIYで挑むなら、旧型ベンチシートの構造理解記事などを参考に、しっかり寸法確認・仮合わせが鍵となります。一方、安全・確実性を重視するなら専門ショップによる加工セットや新型専用ラゲッジパッド利用がおすすめです。
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