夏にオープンカーを楽しむという選択肢はアリか？現実と理想のギャップを探る

真夏の炎天下でのオープンカーは「地獄」と表現されることもしばしば。一方で、自動車メディアでは「夏こそオープンカーを楽しむ季節」といった記事が見られることもあります。本記事では、現実的な暑さとの付き合い方や、なぜ夏にオープンカーが推されるのかについて掘り下げていきます。

オープンカーの「夏は最悪」説は本当か？

多くのオープンカーユーザーが「夏は一番辛い季節」と感じているのは事実です。炎天下での直射日光、照り返しによる車内の高温化、エアコンの効きにくさなど、想像以上に過酷な環境が待ち受けています。

たとえば、東京都内の7月の晴天時にはアスファルトからの輻射熱が加わり、体感温度は40℃を超えることもあります。信号待ちではまさに「灼熱地獄」。それでも「夏こそオープンカー」という声が聞かれるのはなぜでしょうか？

自動車メディアや販促の観点では、「夏のドライブ」「海岸線」「避暑地」などのイメージ戦略が強く働いています。雑誌やネット広告で見かけるオープンカーは、爽やかな高原や海沿いを走るシーンばかりです。

こうしたシーンは実際には一部の限られた条件下でのみ快適であり、日中の都市部では現実離れしていることが多いですが、イメージとしては訴求力があります。だからこそ「この夏乗りたいオープンカー」などの企画が成立するのです。

現実的に真夏でも快適にオープンカーを楽しむためには、時間帯と場所の工夫が欠かせません。たとえば、早朝や夕方の涼しい時間帯にドライブを計画する、標高の高いエリア（高原や山道）を選ぶといった工夫が必要です。

また、帽子やサングラス、UVカットのパーツなどの装備を整えることも重要です。クーリングベストや扇風機付きシートなど、快適装備の活用も選択肢の一つです。

筆者の体験では、7月末の湘南エリアで早朝5時に出発した際は「快適で開放感が最高」でした。しかし、10時を過ぎると直射日光が厳しくなり、窓を閉めてエアコンをフル稼働せざるを得なくなりました。

一方、夏の夜の首都高ドライブは風が心地よく、「夜景と風のコントラストが最高の癒しだった」との声もあります。

「夏にオープンカー」は、幻想的なプロモーションによる面も強いです。実際にユーザー目線では「春や秋こそがベストシーズン」というのが共通した意見。ただし、夏にも“時間や場所を選べば楽しめる”という可能性があるのは間違いありません。

炎天下の真昼間にオープンカーで出かけるのは現実的には厳しいですが、早朝や高原などの環境を工夫すれば、夏でも十分に楽しめる乗り物です。メディアのイメージに惑わされず、実際の体験を通じて「自分にとっての快適な季節」を見つけることが、オープンカーとの正しい付き合い方かもしれません。