車両の改造やカスタマイズを行う際に見落としがちなポイントの一つが「ウインカーレバーの位置」です。特にステアリングとの距離が5cm以上離れてしまうと、車検に通らないのでは?という疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、ウインカーレバーの設置位置に関する車検基準と、延長レバーの活用について詳しく解説します。
ステアリングとウインカーの距離は車検に影響する?
自動車の保安基準には「操作装置の位置」についての規定があります。ウインカーレバー(方向指示器操作装置)は、通常ドライバーの手が届く範囲に配置されていなければならず、運転姿勢から操作が困難な場合、整備不良とみなされることがあります。
明文化された「〇cm以内」という距離指定は法令上存在しないものの、ステアリングから大きく離れていたり、手を離さないと操作できない場合は「不適合」と判断されるリスクが高まります。つまり、5cm以上離れているだけで即アウトではありませんが、実用性・安全性の観点から距離が重要視されるのです。
ウインカー延長レバーは車検に有効か?
ウインカーレバーの位置が遠い、またはアクセスしづらい場合に使用されるのが「延長レバー」です。これは市販品でも多く出回っており、軽度のカスタムやドライバー支援目的で取り付けられることがあります。
車検においても、延長レバーによって本来の操作性が確保されていれば適合と判断されるケースが多いです。ただし、取り付け方によっては「固定が不十分」「走行中に脱落の可能性がある」などの理由で不合格になることもあるため、以下の点に注意が必要です。
- しっかりと固定されていること
- 操作に支障がない構造であること
- 素材や形状が適切であること(鋭利でない、安全設計)
延長レバー使用時の実例と注意点
たとえば、手が小さく純正レバーに届きにくい方が10cmの延長レバーを取り付けたケースでは、取り付けが確実であったことから車検には問題なく通過しました。
一方で、3Dプリンタで自作した延長パーツを両面テープで仮止めしていた車両では「走行中に外れる可能性がある」と指摘され、改善後再検査となった例もあります。見た目だけでなく、安全性の確保が最優先であることを忘れないようにしましょう。
車検時の判断は検査官の裁量も影響
車検は基準に加えて、検査官の判断が影響するグレーゾーンも存在します。ウインカーの位置や延長レバーの設置についても、実際の操作性・安全性が検査時に確認されます。数センチの違いよりも「運転しながら違和感なく操作できるか」が重要視されます。
また、車両の年式や改造の全体バランスによっても判断が分かれるため、心配な場合は事前に整備工場で確認してもらうのが安心です。
まとめ|ウインカーとステアリングの距離対策は“実用性”がカギ
ウインカーの位置がステアリングから5cm以上離れているからといって必ず車検に落ちるわけではありません。しかし、「操作性が著しく悪い」「安全性が損なわれる」状態であれば不適合となる可能性があります。
延長レバーの導入は非常に有効な対策ですが、取り付けの品質や実際の使用感まで考慮したうえで選びましょう。判断に迷う場合は、事前に車検対応の整備工場に相談することをおすすめします。
コメント