なぜ「面一(ツライチ)」にこだわるのか?車好き・おじさん世代の美学とその背景を探る

カスタマイズ

車好きの間でしばしば語られる言葉のひとつに「面一(ツライチ)」があります。ホイールとフェンダーの面をぴったり合わせるというこの美学に、特に中高年世代の車好き、いわゆる“おっさん世代”が強くこだわる傾向が見られます。この記事では、なぜ「面一」にこだわる人が多いのか、その背景や魅力について解説します。

「面一(ツライチ)」とは何か?

面一とは、車のホイールのリム外側とフェンダーの外側がぴったりと一直線に揃っている状態を指します。視覚的に「ツラが合っている」と感じるため、カスタムの完成度を測る目安として使われることが多いです。

この状態を作るためには、オフセットの調整やスペーサーの活用などが必要で、単なる見た目だけではなくセッティングの技術も問われる要素でもあります。

なぜ中高年層に面一へのこだわりが多いのか

1990年代以前のカスタム文化に影響を受けた世代は、見た目重視の“シャコタン・ツライチ”スタイルが理想とされていた時代を体験しています。この文化的背景が、現在の“おっさん世代”の車に対する美意識を形作っていると言えるでしょう。

たとえば旧車イベントでは、昭和のスポーツカーやVIPカーにツライチが施されているのをよく見かけます。こうしたスタイルが「かっこいい」とされてきた世代にとって、それは自己表現の一部でもあるのです。

面一のメリットとデメリット

面一の最大のメリットは視覚的な一体感と完成度の高さです。ボディとタイヤのラインがきれいに揃うことで、車全体がスタイリッシュに見えます。

しかしながら、デメリットとしては乗り心地の悪化やタイヤの偏摩耗、車検の通過が難しくなるリスクもあります。過度なツライチはフェンダーからタイヤがはみ出してしまい、保安基準に抵触する場合もあるため注意が必要です。

若年層との価値観の違い

最近の若い世代では、性能や機能性を重視する傾向が強く、ツライチへのこだわりは薄れつつあります。軽量化、燃費、走行性能といった実用性が重要視されるため、カスタムの方向性も異なるのです。

一方で、SNS映えや「映える写真」を重視する層では、見た目重視のツライチカスタムが再評価されつつあり、古き良きスタイルのリバイバルも一部で見られます。

ツライチはただの見た目だけではない

ツライチへのこだわりは、単なる見た目以上に、その人の車への情熱や美意識の表れです。何ミリの違いにもこだわるその姿勢は、趣味に真剣に向き合う姿とも言えるでしょう。

たとえばある50代のオーナーは「ホイールとフェンダーの隙間を見ると、どうしても詰めたくなる」と語ります。これは単なるカスタムではなく、こだわりの美学でもあります。

まとめ:面一へのこだわりは世代を超えるか?

面一へのこだわりは、特に車文化が花開いた時代を生きた中高年世代の間で根強く残っています。それは、単なる見た目以上の「こだわり」や「価値観」の象徴でもあるのです。

現代ではカスタムの方向性も多様化し、必ずしもツライチが正義とは言えませんが、自分のスタイルを貫くことにこそ、本当のカーライフの楽しみがあるのかもしれません。

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