教習所での路上教習が始まり、法定速度や車間距離をしっかり守ることを意識して運転するのは、まさに基本に忠実な行動です。しかし一方で、周囲の車がスピードを出していたり、後続車からあおられるような状況になると「自分は迷惑なのでは?」と不安になることもあるでしょう。この記事では、初心者ドライバーや教習生が直面しやすい「法定速度遵守」と「流れに乗ること」のバランスについて、具体的な事例とともに考えていきます。
法定速度を守ることは正しいのか?
道路交通法では、道路ごとに定められた法定速度を超えて運転することは禁止されています。つまり、法定速度を守る=正しい運転です。特に教習中は教官の指導に従って、安全運転を最優先にする姿勢が求められます。
実際、教習生が「周りが速いから」といって法定速度以上で走行すると、指導員から減点されることもあります。法を守る運転は何よりも基本であり、安全の土台です。
「流れに乗る」ことは必ずしも速度超過を意味しない
「流れに乗る運転」とは、周囲の車と速度や動きに差が大きくなりすぎないようにすることを指しますが、必ずしも法定速度を超えることを意味するわけではありません。
たとえば制限速度50km/hの道路で、周囲が60km/h程度で流れている場合でも、自分が50km/hで走っていれば違反にはなりません。後続車が近づいてきても、道交法を守っていれば責められる筋合いはありません。
ただし、交通状況に応じて臨機応変に加減速する柔軟性は、安全運転の一部ともいえます。
教習中や初心者は「迷惑」ではない
初心者ドライバーが法定速度を守って走っていること自体が「迷惑」とされることはありません。むしろ教習中や初心者マーク(初心運転者標識)を付けた車は、他のドライバーが配慮すべき対象です。
道路交通法第71条の5では、「他の車両は初心運転者に対して無理な割込みや幅寄せなどを行ってはならない」と定められています。つまり、初心者に対する配慮義務は法律上も認められているのです。
教習中はなおさら、安全と法令遵守が最優先であり、他の車に合わせることよりも基本に忠実であることのほうが評価されます。
実際の道路では「適切な判断」も求められる
たとえば、郊外の見通しの良い道で後続車が多数詰まっているときに、あまりにゆっくり走ると渋滞や追い越しの危険を誘発することもあります。このようなときには、安全を確認しつつ可能な範囲で速度を調整するのも一つの選択です。
ただし、「他車が速度超過している=自分も合わせるべき」という考えは危険です。あくまで法定速度の範囲内で、周囲の流れに自然に溶け込むよう心がけることが理想的です。
今後の運転で心がけたいポイント
- 自信を持って法定速度を守る:特に教習中は「正しい運転」が最重要
- 周囲の流れを観察する力を養う:速度調整は柔軟性の一つ
- 無理に急かす後続車は無視:違反してまで譲歩する必要はない
- 合流や右折時の判断力を磨く:待ちすぎ・出すぎのバランスが大切
最初は不安があって当然ですが、正しい運転を重ねることで少しずつ経験と判断力が身についていきます。
まとめ:法定速度を守る姿勢は「迷惑」ではなく「正義」
教習中に法定速度や車間距離をしっかり守る運転は、まさに理想的なドライビングの姿勢です。周囲のドライバーにどう思われるかを気にするよりも、正しい運転を徹底することで安全が守られ、結果として事故のリスクも減らせます。
「自分は迷惑なのか?」と不安になる必要はありません。むしろ、あなたのような丁寧な運転こそが、社会全体の交通安全を支えているのです。
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