中華製の50ccエンジンにおいて、前日まで問題なくエンジンがかかっていたのに突然火花が飛ばなくなるというトラブルは、想像以上に多くのユーザーが経験しています。CDIやイグニッションコイル、プラグを交換しても改善しない場合、どこに原因があるのか迷うところです。この記事では、12V CDI仕様のエンジンで火花が飛ばないときに疑うべきポイントと、具体的な確認手順をご紹介します。
火花が出ないときにまず確認すべき基本項目
火花が飛ばないときは、まず以下の基本的な構成要素を疑います。
- スパークプラグ
- イグニッションコイル
- CDIユニット
- パルスジェネレーター(ピックアップ)
- ジェネレーター(ステーターコイル)
- キルスイッチ・イグニッション回路
これらが正常でも、意外なところに原因があることもあります。
実は多い?接触不良によるトラブル
中華エンジンでは配線の品質がまちまちで、コネクタの接触不良が非常に多いです。特に以下の箇所を重点的に確認してください。
- CDIへの配線コネクタが緩んでいないか
- イグニッションコイルとプラグキャップの接続
- アース線(フレームへの導通)の接続不良
見た目ではわからないレベルの微妙な接触不良でも、火花が飛ばない原因になります。すべての端子を抜き差しして、接点復活剤を使用すると改善する例もあります。
CDIと点火系配線の確認ポイント
CDIには数種類のタイプがあります(AC点火・DC点火)。中華エンジンではAC点火タイプが多く、ジェネレーターから直接供給された交流電源で点火します。異なるタイプのCDIを取り付けると正常に作動しません。
また、CDIの5ピンや6ピン構成で、配線の配置(ピンアサイン)が合っていないと点火しません。特に交換品を導入した際には、回路図や配線色の意味を確認しましょう。
パルスジェネレーターとジェネレーターの出力確認方法
マルチメーターを使用してパルスジェネレーターの出力を測定すると、キックやセル始動時に0.2〜1V程度のパルス電圧が出ているはずです。ジェネレーターからの点火用コイルの出力は50〜100V程度になります。
電圧が出ているのに火花が出ない場合、やはりCDI周辺の配線やCDIの適合性を再確認する必要があります。
見落とされがちなアース不良とエンジンマウント
エンジンとフレームが完全に導通していないケースもあります。特にエンジンを塗装したり、ラバーマウントを使っていると、アースが取れず点火できないことがあります。テスターでエンジンとバッテリーマイナス間の導通を確認し、導通がない場合は別途アース線を増設します。
実例:すべて良好なのに火花が出ない原因はCDIの互換性
あるユーザーは、全ての点火系パーツを交換しても火花が出ず悩んでいました。原因は「DC-CDI」をAC点火の中華エンジンに取り付けていたこと。見た目は似ていても内部回路が異なるため、適合しないとまったく点火しません。AC用CDIに交換したところ、すぐに火花が復活したとの報告があります。
まとめ:接点・互換性・アースを重点的に見直そう
12V 50ccの中華エンジンで火花が飛ばないときは、「CDIの互換性」「接触不良」「アース不良」の3点を重点的に見直すのがカギです。見逃しがちなアースの導通やCDIの点火方式の違いが、意外な落とし穴になっている場合があります。
中華エンジンのトラブルは自己解決が難しい場面もありますが、一つひとつ丁寧に確認していけば、必ず原因にたどり着けます。
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