マグナ50の電装トラブルは、セルが回らない、インジケーターランプが点灯しない、アイドリング中に照明が暗いなど、特に旧車化してきた車両で多く見られます。この記事では、そうした症状の背景にある原因や、交換後も改善しない場合の対処法について詳しく解説します。
症状の概要:セル不動+照明が暗いが押しがけで始動可能
今回のようにセルは回らず、ニュートラルランプなども点灯しないが、押しがけすれば始動できるというケースは、電装系の一部に不具合がある可能性が高いです。
しかもアイドリング時に照明が暗く、回転数を上げると明るくなる現象がある場合、バッテリー以外の発電・電圧供給系の不良を疑うべきです。
主な原因①:レギュレータ・レクチファイアの故障
電装系でまずチェックすべきは、バッテリーへの充電を管理している「レギュレータ/レクチファイア」です。これが故障していると、走行中は点灯が明るくても、バッテリーには十分な充電がされず、セルモーターやランプ類が起動しないことがあります。
テスターでレギュレータ出力電圧が13.5〜14.5Vか確認し、基準を下回る場合は交換を検討しましょう。
主な原因②:ヒューズ切れや接触不良
セルやランプ系のヒューズが断線していたり、サビや劣化で接触不良を起こしているケースもよくあります。
特にマグナ50は防水性が高くないため、ヒューズボックス内やバッテリー端子の腐食も確認しましょう。
主な原因③:アース(接地)の劣化や断線
車体と電装系を繋ぐアース線が断線・緩み・腐食していると、バッテリーが正常でも電気が全体に回らないことがあります。
フレームにボルトで固定されているアース端子の締め直し、清掃も効果的です。必要に応じてアース線の増設も推奨されます。
実際の修理例:バッテリー交換で治らなかったが…
あるユーザーは「セル不動・インジケーター暗い・押しがけOK」という症状で、バッテリーを新品に交換したにもかかわらず改善しなかった事例があります。調査の結果、レギュレータの発電出力が10.8Vと低すぎることが判明し、交換後は問題が解消しました。
その他チェックポイント一覧
- スタータースイッチ(セルスイッチ)の接触不良
- イグニッションスイッチの端子劣化
- バッテリーケーブルの断線や劣化
- メインハーネスの断線(特にヘッドライト裏)
見落としがちな箇所もあるため、順番にテスターで確認していくと良いでしょう。
まとめ|電装不良は一つずつ潰していこう
マグナ50のような年数の経ったバイクでは、電装トラブルが発生するのは珍しいことではありません。セルが回らない・ランプが暗いといった症状の背景には、バッテリー以外の部品(レギュレータ・ヒューズ・アース)の不調が潜んでいます。
焦らず一つずつ原因を切り分けていけば、確実に解決に近づけます。必要であれば、信頼できるバイクショップに電圧診断を依頼するのもおすすめです。
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