スクーターを長期間保管したあとに再び走らせる際、エンジンをかけただけでは気付けない不具合やリスクが潜んでいることがあります。特に1年もの期間、実走行をしていなかったバイクであれば、簡単な点検とケアをするだけで安心して走行が可能になります。今回は、HONDA PCX160をはじめとするスクーターに共通する点検ポイントを7つご紹介します。
1. タイヤのひび割れや硬化を確認しよう
エアーチェックだけでは不十分。1年間動かさずにいたタイヤは、ゴムが劣化してひび割れや硬化が進んでいる可能性があります。特にサイドウォール部分を念入りに確認しましょう。
走行距離が少なくても、タイヤは時間の経過で性能が落ちます。できれば製造年月日(タイヤ側面に記載)も確認を。3年以上経過している場合は要注意です。
2. バッテリー電圧と充電状況
アイドリング程度では充電量はわずかです。セルの勢いが弱かったり、ライトが暗いと感じたら、バッテリーの電圧チェックや充電器での補充電がおすすめです。
できれば走行前にテスターで電圧を確認し、12.4V未満なら一度充電しましょう。
3. ブレーキの効きとパッドの状態
久々に走行する際、最も重要なのはブレーキ。パッドが固着していたり、ブレーキフルードが劣化していると制動力の低下が起こり得ます。
ブレーキを握った時のフィーリングや、効き具合が以前と異なる場合は整備が必要です。フルードは2年ごとに交換が推奨されています。
4. ドライブベルトや可動部の状態確認
スクーター特有のCVT構造では、ドライブベルトやウエイトローラーなどが経年で劣化します。特にPCX160のような高回転型モデルでは重要です。
異音や加速の鈍さがある場合、ドライブベルトの点検・交換を検討しましょう。
5. 古いガソリンの処理と燃料系洗浄
タンクに残ったガソリンは酸化しており、エンジン内のカーボンやガム質の付着を引き起こす可能性があります。
できればガソリンを新しいものと入れ替え、燃料添加剤で燃焼室やインジェクターの洗浄を行うと安心です。
6. 灯火類・ウインカーの動作確認
見落としがちなポイントですが、ライト・ウインカー・ブレーキランプなどは劣化や接触不良が起きやすい箇所です。すべての灯火が正常に点灯・点滅するか、走行前に必ずチェックしましょう。
ランプが暗い、点いたり消えたりする場合は接点復活剤の使用や交換が必要かもしれません。
7. クーラント液や冷却系統のチェック(液冷モデル)
PCX160は水冷エンジンを搭載しています。クーラント液の量や色のチェックは必須です。リザーバータンクの液量が少ない・変色している場合は補充や交換を検討しましょう。
冷却系トラブルはエンジンブローの原因になるので、長期保管後は特に注意が必要です。
まとめ|簡単な点検で、安全・快適に復帰しよう
長期間保管されたスクーターを再び走らせるには、エンジンオイルやガソリン以外にも、足回り・電気系・冷却系・燃料系の点検が重要です。少しの確認を怠ることで思わぬ故障や事故につながることもあるため、走行前にはぜひ一通りチェックしておきましょう。
バイク初心者の方でも簡単にできる項目ばかりですので、まずはこのチェックリストを元に、安全なツーリングに備えてください。
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