SR400(2003年式・RH01J・3型)はキャブ車の最終型にあたる人気モデルです。特にマフラー交換後に発生するアフターファイア(パンパン音)への対応は、多くのオーナーにとって悩みの種です。本記事では、マフラーを交換した際のキャブセッティングのポイントや、最適なメインジェットとスロージェットの番手選びについて、初心者にも分かりやすく解説します。
なぜマフラー交換でキャブセッティングが必要なのか
SR400は空冷単気筒のキャブ車で、吸排気のバランスが非常にシビアです。社外マフラーへ交換することで排気効率が高まり、燃焼室の空燃比が薄くなる傾向があります。これにより、アクセルオフ時に未燃焼ガスが排気内で燃え、パンパンというアフターファイアが発生します。
特に抜けの良いマフラーを装着すると、この現象が顕著になります。これを防ぐには、キャブレターのセッティングを見直して燃料を“濃く”する必要があります。
SR400(RH01J 3型)の純正ジェット番手
2003年式RH01J 3型の純正セッティングは以下の通りです。
- メインジェット:#162.5
- スロージェット:#22.5
- ニードルジェット:純正固定式(交換非推奨)
このセッティングは純正エキパイ+純正サイレンサーで設計されており、抜けの良いマフラー装着時には対応しきれないケースがあります。
おすすめのジェット番手セット例
一般的にマフラーを交換した際のセッティング例として、次のような番手がよく使われます。
- メインジェット:#165 ~ #170
- スロージェット:#25
たとえば、WR’Sやモリワキなどのフルエキマフラーであれば、#170+#25程度がちょうど良いバランスになることが多いです。ただし、吸気側(エアクリーナー)を変更している場合は、さらに濃くする必要があります。
パンパン音が残る場合の追加対策
ジェット変更後もアフターファイアが残る場合は、以下の対策も併せて検討しましょう。
- エアスクリューの調整:1/4〜1/2戻しでアイドリングが安定する位置へ調整
- AIS(エアインダクションシステム)のキャンセル:SR400には排ガス規制対策で装備されており、未燃焼ガスの燃焼を助長します
- プラグの確認:混合気が濃すぎてもパンパン音の原因になります
なお、AISキャンセルは車検非対応になる可能性があるため、自己責任で行ってください。
便利なジェットキットと購入先
SR400用のセッティングキットとしては、デイトナやキタコのキャブレターセッティングキットが有名です。数種類のメイン・スローがセットになっており、段階的に調整できます。
AmazonやWebikeで「SR400 ジェットキット」と検索すれば複数の選択肢が出てきます。マフラーの仕様や標高、気温などにより最適解は異なるため、試走と確認を繰り返しながら合わせましょう。
まとめ:セッティングは「試して調整」が鉄則
マフラー交換後のSR400におけるキャブレター調整は、基本的にメインジェットの番手アップとスロージェットの変更から始めるのが定石です。まずは#165や#170のメインジェット、#25のスロージェットを基準に、エンジンの吹けや始動性、アフターファイアの頻度を観察して調整しましょう。
セッティングに正解はありませんが、試して調整しながら最適化していくプロセスもまた、SR400の魅力のひとつです。
コメント