バイクのサイドスタンド加工で安全性と強度を確保する溶接方法とは?構造ごとの最適な判断基準を解説

カスタマイズ

バイクのカスタムにおいて、サイドスタンドの位置変更や延長は意外と多くのライダーが検討するテーマのひとつです。とくに車高の変更や車体の傾きの調整のためにスタンドの長さや角度を調整する場合、安全性と強度を両立した溶接方法を選ぶことが重要になります。本記事では、複数の候補がある場合にどちらの加工が適しているかを判断するためのポイントを解説します。

サイドスタンド加工が必要になる理由とは?

ローダウンやリフトアップ、タイヤ径の変更によってバイクの重心が変わると、スタンドの角度や長さが合わなくなることがあります。そのままでは停車中の転倒リスクが高まるため、スタンドの延長や移設が必要になるのです。

また、スタンドが外装やパーツと干渉する場合にも加工が必要になるケースがあります。このとき、ただ単に切って溶接するだけでは安全性に不安が残ることもあるため、構造や負荷のかかり方を理解した上での処置が求められます。

加工パターン①:スタンド先端部(③)をカットして溶接する

スタンド先端部分を切り取って、新しい角度や位置で溶接し直す方法です。これは比較的簡易で調整しやすいですが、溶接部に負荷が集中しやすいという欠点があります。

特に、スタンド全体の長さが変わるような場合、単なる端部のカットでは角度や剛性にズレが生じやすく、頻繁に使ううちに破断のリスクが高まることも。

加工パターン②:中間部(②)をカットしてスタンド基部(①)に延長溶接する

こちらは、スタンドの途中を切断し、そこに新しいパイプや補強材を溶接して延長する方法です。全体の構造バランスを維持しながら強度確保できる点が大きなメリット。

さらに、必要に応じて補強プレートを溶接することで、剛性を上げることも可能です。この方法は手間はかかりますが、仕上がりの強度と信頼性に優れるため、プロの整備士やカスタムビルダーもよく採用します。

どちらの方法が良いかは「荷重と応力の流れ」で決まる

サイドスタンドはバイクの重みを一部支える部品です。そのため、どこに荷重がかかるかどういう力がかかるかを理解しておく必要があります。

先端(③)だけの加工では、支点から遠い部分に不自然な応力が集中しやすく、クラック(亀裂)が入る可能性も否定できません。一方、基部(①)近くで延長する加工であれば、スタンド全体が自然な力の流れに沿った構造となり、耐久性も高くなります。

実例:NC750Xでのスタンド加工事例

あるライダーがNC750Xをローダウンした際、スタンドの接地角が浅くなってしまったため、②の中間部でパイプを延長溶接し、さらに外側に補強スリーブをかぶせて強度を確保するカスタムを実施。

結果として、安全に停車できるようになっただけでなく、スタンドのぐらつきも解消され、仕上がりの美観も向上しました。

安全を優先するならプロの施工がおすすめ

溶接には高温と正確なフィッティングが求められます。特にスタンドのような荷重部品は、DIYの不適切な溶接で事故のリスクもあるため注意が必要です。

安全を第一に考えるなら、バイクショップやカスタム専門の金属加工業者に依頼することを検討しましょう。費用は1〜2万円程度から可能で、溶接跡もきれいに仕上がります。

まとめ:延長溶接は構造と荷重のバランスを意識して

サイドスタンドの加工は見た目以上に重要な作業です。先端をカットして移設するよりも、中間部を切断して延長溶接するほうが、安全性・強度の面で有利です。

力のかかり方使用頻度も考慮しつつ、溶接部位と方法を選びましょう。安全で安心なスタンド加工を実現するために、プロの知識や技術を活用するのも有効な選択肢です。

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