バイクのユーザー車検を通したあと、次に受けるべき法定点検が「12ヶ月点検」か「24ヶ月点検」か、混乱する方も多いでしょう。特に点検記録簿がない場合や点検のタイミングがずれている場合は、何を受けるべきか判断に迷うケースもあります。本記事では、それぞれの点検の意味や違い、いつどの点検を受けるべきかについて解説します。
■ 法定点検とは何か?
バイク(自動二輪車)の法定点検は、道路運送車両法で定められた定期点検のことです。排気量が250ccを超えるバイクは「車検」が必要であり、それに加えて12ヶ月ごとの法定点検(いわゆる12ヶ月点検)が義務づけられています。
車検は2年ごとですが、法定点検は12ヶ月ごとです。つまり車検を通したとしても、それだけでは12ヶ月点検を実施したことにはなりません。
■ 12ヶ月点検と24ヶ月点検の違い
12ヶ月点検は、年に1回実施すべき定期点検であり、バイクの基本的な安全性や走行性能を確認する項目が中心です。点検項目数は26~28ほどです。
24ヶ月点検(または車検整備とも呼ばれます)は、車検前に実施される法定点検で、12ヶ月点検よりも点検項目が多く、細かい整備・検査が含まれます。通常車検と同時に整備工場などで行われることが多いです。
■ ユーザー車検を通した場合の点検は?
ユーザー車検は、自分で陸運局に行って検査を受ける方法であり、法定点検(24ヶ月点検)を自分で行う、あるいは省略して通す人も少なくありません。法的には「点検整備記録簿」を自分で作成していればよいとされますが、整備内容が不十分なまま検査を通す人も見受けられます。
そのため、ユーザー車検後に整備工場で受ける点検は、形式上「24ヶ月点検」となるのが一般的です。
■ 前回12ヶ月点検を受けていた場合は?
前回12ヶ月点検をしっかり受けていたとしても、今回は車検を通した後ですので、そのタイミングにおいては「24ヶ月点検相当の点検」を受けるのが望ましいとされています。これは、2年に1度の車検整備と法定点検を兼ねるためです。
点検記録簿を持っている場合は、その整備歴を確認し、抜けがないかを点検工場で相談してみましょう。
■ 実例:ユーザー車検後に点検を受けたケース
あるバイクユーザーは、ユーザー車検を自分で通したあと、近所のバイクショップに「法定点検をお願いしたい」と依頼しました。その際に整備士から「24ヶ月点検扱いになります」と言われ、点検記録簿にも記載されました。
このように、ユーザー車検=整備を飛ばしている可能性があるという前提で、ショップでは24ヶ月点検扱いになるケースが多いです。
■ 点検名にこだわらず「安全のため」に点検を
名称が12ヶ月点検か24ヶ月点検かにこだわるよりも、自分のバイクが安全に走れる状態であるかどうかをチェックしてもらうことが重要です。
法的には点検整備記録簿があればよいとされていますが、安心のためにもプロの整備士に任せておくのがおすすめです。
■ まとめ:ユーザー車検後は24ヶ月点検が基本
- バイクの法定点検には12ヶ月点検と24ヶ月点検がある
- ユーザー車検を自分で通した場合は整備を省いていることが多く、ショップで点検を受ける際は24ヶ月点検扱いとなる
- 前回12ヶ月点検を受けていても、今回は24ヶ月点検を受けるのが適切
- 点検名称よりも「安心して走れる状態」に整えることが大切
自分や他人の安全のためにも、定期点検は計画的に受けておきましょう。
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