2003年式のハーレーダビッドソン・XL1200(いわゆるリジッドマウントスポーツスター)に乗っていて、足回りのグレードアップを検討している方にとって、ナイトロンのリアショックは魅力的な選択肢です。しかし、ナイトロンの製品は基本的に2004年以降のラバーマウントスポーツスター用しか販売されていません。では、ラバスポ用ショックをリジスポに装着することはできるのでしょうか?本記事では、その可否と実現方法、必要な加工内容について解説します。
リジスポとラバスポの違いとは?
2003年までのスポーツスターはエンジンがフレームにリジッドマウントされており、「リジスポ」と呼ばれます。2004年からはラバーマウント方式(ラバスポ)に変更され、車体構造やエンジンマウント位置が異なります。これにより、リアサスペンションの取付長やマウント部の形状も変更されています。
ナイトロンをはじめとする社外サスペンションは、多くが2004年以降対応のため、そのままではリジスポに装着できない場合があります。
ラバスポ用リアサスをリジスポに流用できるのか?
結論から言うと、ラバスポ用ショックはリジスポにも物理的に装着できる可能性がありますが、そのままではポン付けは困難であり、いくつかの調整や加工が必要です。
特に以下の点で注意が必要です。
- 取り付けピッチ(長さ)
- ボルト径およびマウントカラー径
- バンプラバーや干渉箇所の有無
カラーの内径が合わない場合、ブッシュの入れ替えやアルミスペーサーの製作が必要になることがあります。
実際の取り付け方法と加工例
リジスポにラバスポ用ナイトロンを装着した例では、以下のような加工が行われています。
- 上下マウント部の内径調整:ボルト径が違うため、ブッシュ交換または削り出しカラーを製作。
- 全長調整:リジスポとラバスポではリアサスの基準全長が異なるため、走行姿勢が変化する可能性あり。純正長を計測して適合品をオーダーするのが理想。
- 取り付け角度やクリアランス確認:マフラーやフェンダー、タイヤのクリアランスに注意。
ショップでの加工事例では、フライスでカラー製作やナイトロン本体のカスタムオーダー(長さ指定)によって問題を回避しています。
加工なしで取り付けできるリアサスの選択肢
加工の手間を避けたい場合は、2003年以前のリジスポ専用品として販売されているリアサスペンションを選ぶのが無難です。例えば、以下のメーカーではリジスポ用が用意されています。
- プログレッシブ(PROGRESSIVE SUSPENSION)
- IKON(旧KONI)
- オーリンズ(一部対応モデルあり)
とはいえ、乗り心地やダンピング性能ではナイトロンに優位性があるという声も多く、こだわるライダーにとっては多少の加工も許容範囲かもしれません。
取り付けは専門ショップへ依頼するのが安心
ナイトロンのような高性能サスペンションの取り付けには、ミリ単位の精度やバランスが求められます。誤って取付角がずれたり、クリアランスが足りないまま装着すると、サスペンション性能を発揮できないどころか事故にも繋がりかねません。
そのため、加工・取り付けはカスタム経験豊富なバイクショップやハーレー専門店に依頼するのが安全です。
まとめ:ナイトロンはリジスポでも使えるが要加工。プロと相談しながら進めよう
2003年式のXL1200にラバスポ用ナイトロンリアサスを装着することは可能ですが、マウント径や全長、カラーの調整など複数の加工が必要です。性能重視でナイトロンを導入したい方は、信頼できるショップに相談し、車両に合わせて調整・加工してもらうことを強くおすすめします。
無理に取り付けるより、安全性とパフォーマンスを両立する方法で、より快適なスポーツスターライフを楽しんでください。
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