ユーザー車検における排ガス検査は、多くのバイクユーザーにとって不安要素のひとつです。特に、マフラー音量を抑えるためにサイレンサーにバッフルや詰め物を入れて対策をした場合、排ガス検査用のプローブが正しく差し込めるのか心配になるケースも多いでしょう。この記事では、排ガス検査の基準やプローブの差し込み長さ、実際に問題となる可能性について解説します。
排ガス検査で求められるプローブ挿入の長さ
排ガス検査では、マフラー内部に排ガス測定用のプローブ(センサー)を挿入し、エンジンの燃焼状態を測定します。法的には明確な長さの規定は公表されていないものの、実務上は10cm以上挿入できることが目安とされています。
これは、プローブが確実に排気流を捉えるために必要とされている長さであり、マフラー出口に対して曲がりや障害物があると、それが妨げになる可能性があります。
バッフルや詰め物が影響する理由
バッフルは消音効果を得るために設置される金属プレートで、排気の流れを制限する構造を持っています。中にグラスウールなどの詰め物を入れることで音量を抑えられますが、その分、プローブの挿入経路が狭くなることがあります。
詰め物が明確に塞いでおらず、プローブが10cm程度入るスペースが確保されていれば基本的に問題ないという意見が多いですが、現場の判断による部分もあるため、完全な保証はできません。
検査場での実際の対応
検査官はプローブが適切に挿入されて排ガスを正確に測定できるかを重視しています。もしプローブが途中で詰まる場合や奥まで入らない場合には、検査不合格となる可能性があります。
ただし、見た目に大きく遮蔽されていない場合や、10cm程度差し込めて測定が可能であれば、柔軟に通るケースも多いようです。そのため、バッフルの設置後には一度ご自身で長さを計測しておくと安心です。
音量基準とバッフルの効果
車検時の騒音基準は、原付・小型車・普通車などで異なりますが、一般的に定常走行時で94dB以下が目安です。88dBであれば十分に合格ライン内に収まっています。
バッフルやグラスウールによってこの数値まで下がっていれば、音量面での心配はありません。ただし、消音のために排気経路を物理的に塞ぐような加工は排ガス検査に影響を及ぼす恐れがあるため注意が必要です。
ユーザーができる事前準備と工夫
- 検査前にマフラー内部の通路をライトなどで確認
- 10cm以上の金属棒やケーブルを差し込んで実際に測定しておく
- 必要に応じて取り外し可能なバッフル構造にする(検査時のみ外せる)
- 測定不可と言われた場合のためにノーマルマフラーを保管しておく
これらの工夫によって、ユーザー車検時のリスクを軽減できます。
まとめ:見た目以上に「挿入の可否」がポイント
排ガス検査で重要なのは、音量の適正化とともに、プローブが十分に挿入できることです。10cm前後入る構造であれば、実際の検査場でも通る可能性は高いですが、確実性を求めるなら、バッフルの構造や詰め物の位置を再確認しましょう。
ユーザー車検では、ちょっとした工夫と下準備が合格の鍵を握ります。不安がある場合は、あらかじめショップや経験者に相談するのも安心です。
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