バイクの整備作業中、特にブレーキのエア抜き作業でブリーダーボルト(エア抜き用ボルト)を締めすぎて折ってしまうケースは珍しくありません。この記事では、もし折れてしまった場合に放置してよいのか、次のエア抜きまでの対処法や注意点について詳しく解説します。
ブリーダーボルトが折れた場合の基本的な状態
エア抜き後にしっかり締まっており、折れた箇所が完全に閉じている(内部で折れている)場合、一時的にはブレーキフルードが漏れないこともあります。ただしこれはあくまで「運良く漏れていない状態」であり、安心できる状況ではありません。
ボルト内部のネジ山やシート部に微細な傷や亀裂があると、振動や熱膨張の影響で徐々に漏れが発生するリスクがあります。
そのまま走行しても大丈夫か?
結論から言えば「推奨されない」です。一見漏れていないように見えても、ブレーキラインは高圧がかかるため、ほんのわずかな亀裂でも重大なトラブルに繋がる可能性があります。
特に長距離走行や高負荷状態での使用時、突然ブレーキが効かなくなる危険性もあります。
漏れの兆候を見逃さない
ボルト折損後の使用を続ける際には、以下のような異変に注意が必要です。
- ブレーキレバー(またはペダル)の踏み応えが柔らかくなる
- ブレーキフルードがにじんでいる
- ブレーキタッチが安定しない
- ブレーキ警告灯の点灯
これらの症状が現れた場合は、即座に使用を中止し、点検または修理を行いましょう。
応急処置と交換のタイミング
完全に折れたボルトを除去せずに走行を継続するのは危険ですが、やむを得ない場合は一時的に次のような対処が考えられます。
- シール剤や液体ガスケットでの補強(※確実性は低く、あくまで応急)
- キャリパーの交換が可能なら部品交換で対応
- 折れたボルトを専門業者にて除去し、再タップして修復
いずれにせよ、次回のエア抜きまで放置せず、可能な限り早めに修理や交換を行うことをおすすめします。
再発防止のポイント
ブリーダーボルトのトルク管理はとても重要です。締めすぎは破損の原因となり、ゆるすぎればフルード漏れやエア混入のリスクがあります。
多くのブリーダーボルトの締付トルクは6〜10N・m程度が一般的で、必要以上に強く締める必要はありません。トルクレンチの使用や締め付けの「止まった感覚」を覚えることがポイントです。
まとめ:一時的に漏れていなくても早期対処が必須
ブレーキのエア抜きボルトが折れてしまった場合、しっかり締まっているように見えても、実際には徐々に漏れが進行するリスクを抱えています。特にブレーキ系統は安全に直結する部分なので、放置せず、できるだけ早く修理・交換することが安全です。
安全なバイクライフのためにも、トルク管理と適切な整備を心がけましょう。
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