バイクの整備やプラグ交換、点火系トラブル対策に欠かせないのが、シリンダー番号の正しい理解です。今回は、V型4気筒エンジンを搭載するホンダ・RVF400(NC35)のシリンダー番号の配置や点火順序について、図解なしでも分かるように整理して解説します。
RVF400のシリンダーレイアウトの基本
RVF400はV型4気筒エンジン(90度V4)を搭載しており、前後バンクに2本ずつシリンダーがあります。バイクを正面から見た場合、前バンク(前側の2本)が1番・3番、後バンク(後ろ側の2本)が2番・4番と配置されています。
具体的な番号の割り当ては次のとおりです。
- 左前:1番シリンダー
- 右前:3番シリンダー
- 左後:2番シリンダー
- 右後:4番シリンダー
これはホンダのV4エンジンで共通のパターンです(例:VFR系も同様)。
なぜこの並びなのか?ホンダV4特有の理由
このシリンダー番号の並びは、整備マニュアルやECU制御、点火順序などとの整合性を保つために設定されています。ホンダは1番を“左前”とする原則を用いており、左右・前後の認識が逆転しやすいバイク整備では、混乱のもとになることもあります。
実際、ネット上の情報でも「1-3-2-4」の並びや「前列が1番ではない」という記述が錯綜していますが、ホンダ純正マニュアルの記述が正確な指針となります。
点火順序は1→3→2→4が基本
RVF400の点火順序は「1 → 3 → 2 → 4」です。この順序で点火が回ることで、V4特有のフィーリングや音、そしてバランスの取れた燃焼サイクルを実現しています。
実際の点火順序が影響するのは、以下のような作業です。
- イグニッションコイルやCDIユニット配線の確認
- プラグコードの接続
- シリンダーミスの診断(スパークチェック)
整備の現場では「どの番号がどこ?」を正しく認識していないと配線ミスやプラグ点検の誤解につながるため、非常に重要な知識です。
プラグ交換や点火トラブル対応時の注意点
点火系トラブルを診断する際に、「どのシリンダーがミスしているか」を特定するには、番号を正しく理解している必要があります。たとえば「1番シリンダー失火」と診断されたら、それは“左前”を指します。
また、Vバンクエンジンは前後の熱の入り方が異なり、後方のシリンダーが高温になりやすいため、プラグ焼けやコイル劣化も前後で差が出るケースがあります。
実例:間違いやすい配線パターン
ネット上では「前が1-2、後ろが3-4」や「1-2-3-4が左右順」といった誤情報も見かけますが、これは横置き直列エンジンのバイクに見られる並び方で、RVF400には当てはまりません。
たとえばレースベース車両を整備中の事例では、「3番と4番を逆に配線してエンジン不調になった」といったケースも報告されています。
まとめ:RVF400のシリンダー番号と点火順序の正解
RVF400のシリンダー番号と点火順序は以下の通りです。
- 1番:左前
- 3番:右前
- 2番:左後
- 4番:右後
点火順序は「1→3→2→4」。この正しい知識が整備・チューニング・トラブルシュートの成功率を高める鍵となります。混乱しやすいポイントですが、原則を押さえておけば今後の整備にも活かせる情報となるでしょう。
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