原付や2ストローク50ccのMTバイクに乗っていると、突然リアブレーキの効きが悪くなったと感じることがあります。この症状は危険を伴うものであり、放置すると重大な事故につながる可能性もあります。今回は、リアブレーキが急に効かなくなったときに考えられる原因と、その対処法について解説します。
リアブレーキの仕組みを簡単に理解しよう
多くの50ccクラスのMTバイクでは、リアブレーキはワイヤー式のドラムブレーキが採用されています。足で踏み込むペダルの動きがワイヤーを通じてブレーキカムに伝わり、内部のブレーキシューが拡がってブレーキがかかる仕組みです。
この構造が理解できれば、どこに不具合が起きているかの予測が立てやすくなります。
リアブレーキが効かなくなる主な原因
- ワイヤーの伸びや切れ:経年劣化によりワイヤーが伸びきったり、切れかけていたりすると、踏んでもカムが動かずブレーキが効きません。
- ブレーキカムの固着:内部に錆やゴミがたまると、ブレーキカムが回らなくなり、シューが開かなくなります。
- ブレーキシューの摩耗:シューが限界まで摩耗していると、どれだけ操作してもドラムに接触せず、制動力を失います。
- リンク部分の緩み:ペダルとワイヤー、ワイヤーとカムの接続部分が緩むと、操作力が伝わりにくくなり、踏みごたえが軽くなることがあります。
症状別にみる原因の特定方法
「急にペダルが軽くなった」「ブレーキが効かなくなった」という症状が出た場合は、以下のような点検ポイントがあります。
- ワイヤーの張り具合をチェック:ワイヤーが明らかにたるんでいる、または途中で切れていれば原因確定です。
- ブレーキペダルの動きがスカスカ:リンクのボルトやナットの緩み、もしくはワイヤーが外れている可能性があります。
- カムやシューの動作確認:リアホイールを外して、カムやシューの動作を確認するのが確実ですが、バイク屋に任せるのが安全です。
対処方法と修理費の目安
原因にもよりますが、修理方法は比較的シンプルな場合が多く、バイク屋で点検・調整・交換してもらうのが安全で確実です。
- ワイヤー交換:部品代1,000円~3,000円+工賃で5,000円程度が目安。
- カムの清掃・グリスアップ:軽作業なら2,000円前後。
- シュー交換:部品代3,000円程度+工賃で6,000円~8,000円。
「詳しい友人に見てもらったところ○○が緩んだ」と言われた場合、それはリンクのナットやブレーキアームかもしれません。緩んでいれば調整・締め直しだけで済む場合もあります。
自分での点検は最低限に、安全第一で
ブレーキは命に関わる重要な装置です。簡単なワイヤーの張り確認程度なら自分でもできますが、それ以上の作業は知識と経験がなければ危険です。必ず信頼できるバイクショップに相談しましょう。
また、リアブレーキの不調が起きたら、フロントブレーキだけに頼るのではなく、なるべく早く乗るのを控えて安全な状態で持ち込むことをおすすめします。
まとめ:早めの点検で安全なバイクライフを
リアブレーキの効きが悪くなったと感じたら、ワイヤーの緩みやシューの摩耗、カムの固着など、さまざまな原因が考えられます。自己判断せず、すぐにバイクショップで見てもらうことが大切です。早期に対応すれば、軽微な修理で済むことも多く、安全な走行を取り戻せます。
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