RB25DETへ載せ替えたHCR32や他のスカイライン系車両において、「5000回転から吹けが悪い」「アイドルが高い」といった不調は比較的よくあるトラブルです。この記事では、実際の事例に基づき、こうした症状の主な原因や点検ポイントをまとめてご紹介します。
まず確認すべき燃調と点火系の基本
RB25DETのようなターボエンジンでは、燃料・空気・点火の3要素のバランスが重要です。特に5000回転あたりからのもたつきは、空燃比のずれや点火時期の狂いが原因となることが多く、点火系の確認は不可欠です。
・プラグの番手:NGK製で8番は適正範囲ですが、使用状況によってはかぶりやすくなる可能性があります。
・点火コイル:新品でも社外製の品質にばらつきがあるため、純正品との比較や他の個体との交換も一つの手です。
エアフロセンサーと空燃比の関係
Z32エアフロはRB系エンジンで定番の強化パーツですが、セッティングが合っていない場合、エアフロの読み取り値がずれて燃調に悪影響を与えることがあります。アイドリングが高い場合も含め、エアフロ不良の可能性が疑われます。
診断のヒントとしては、エアフロのカプラーを抜いたときにアイドリングが下がるかどうか、またECUがフェイルセーフに入るかを確認すると良いでしょう。
社外サージ・スロットルを組んだ際の注意点
社外インテーク系(サージタンク・スロットル)を組んだ際には、アイドルエアコントロール(AAC)バルブやスロットルポジションセンサー(TPS)の調整が適切に行われていないと、アイドリング不安定や高回転時のエンジン不調が起こります。
特にインフィニティスロットルは開度が大きく、初期設定がずれているケースがあるため、TPS電圧の調整(0.45V程度)やアイドルバイパス通路の見直しを検討してください。
プラグが黒い=燃調が濃い証拠
プラグが黒くすすけているということは、明らかに燃料が濃すぎる(リッチ)状態です。これはエアフロ・燃圧レギュレーター・インジェクター制御・ECUマップのいずれかに原因がある可能性が高いです。
簡易的なチェック方法として、O2センサーの電圧をモニタリングし、濃すぎる状態が続いているかどうかを確認するのも有効です。
ECUセッティングと学習リセットの見直し
ECUが純正のまま、または現車セッティングされていない状態で大幅に吸気系やインジェクターを変更した場合、現状とマッチしておらず不調の原因になります。
・ECUが純正の場合:NISTUNEなどでの書き換え推奨。
・ECUが書き換え済み:セッティングショップで再調整を依頼しましょう。
・バッテリーを外して学習値リセットも有効な場合があります。
まとめ:RB25換装車両の不調には多角的な診断が必要
RB25DETへの載せ替え車両では、複数の要因が重なって不調を引き起こすことが少なくありません。
・エアフロ故障やズレ
・点火系不良
・空燃比の過剰リッチ
・スロットル・AACバルブの調整不足
・ECUマップとの不一致
これらを一つ一つ丁寧に潰していくことで、最適な状態に近づけることができます。DIYでの対応が難しい場合は、RBエンジンに強いセッティングショップに相談するのも有効です。
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