バイクのフロントブレーキでABSユニットを介さずにマスターシリンダーから2本出しにバイパスしたという加工は、ABSシステム本来の動作を変更するものです。こうした変更をした際にABS警告灯が点灯しない、または警告灯の動きだけで車検が通るのかと疑問に感じる人は多いと思います。この記事ではABSの本質、警告灯の意味、そして車検でのチェックポイントについて詳しく解説します。
ABSシステムと警告灯の役割
ABSはアンチロック・ブレーキ・システムの略で、タイヤのロックを防ぎ制動時の安定性を確保するためのシステムです。システムに異常がある場合にはダッシュボードのABS警告灯が点灯します。
警告灯が点灯しないということは、ECUがシステム異常を検知していない状態です。ただし、バイパス加工によってECU側でモーターやセンサーが無効化・キャンセルされている可能性があり、実際のABS作動機能が失われているにも関わらず警告灯が出ないケースもあります。
車検のABSチェックとは
車検におけるABSの検査は、国土交通省による定められた項目に基づきます。具体的にはABS警告灯の点灯・消灯の動作チェックや、装着義務車両であれば動作状況の確認が求められます。
車検場や検査官の判断基準は「装着されているべき装置が機能しているか・警告灯が正しく動作しているか」です。警告灯が点灯せず正常と見なされても、実際にABSが物理的に機能していないと判定される可能性があります。
ABSキャンセルと車検合格のリスク
ABSユニットをバイパスして機能を完全に無効化(キャンセル)する行為は、整備不良に該当する可能性があります。特にABS装備車両は安全装置として法律にも関係してくるため、車検時に機能が確認できないと不合格になる場合があります。
具体例として、整備記録や検査員による目視・機能試験でABSユニットが正常に働かないと判断されれば、たとえ警告灯が出なくても「検査基準不適合」とされることもあります。
合法的な対応と車検対策
ABSを持つ車両でバイパス加工を行った場合、車検を通すためには元に戻す(ABS機能を有効にする)ことが最も安全です。整備工場やディーラーに戻し、ABSユニットやセンサーを正常状態に修正することを推奨します。
また、改造内容によっては車両型式や保安基準の適合が変わるため、改造申請や構造変更が必要となるケースもあります。専門の整備士に相談して、車検の合否に影響する点を確認しましょう。
まとめ
ABSバイパス加工を施した場合、警告灯が点灯しないという結果だけでは車検の合格を保証するものではありません。ABS装置の有無・機能は安全装置として重要視されており、車検員が適合性を判断する際に「警告灯の挙動以外の基準」で不合格とする可能性があります。
車検を確実にパスし、安全に乗るためには、ABS機能を正常な状態に戻し、必要であれば専門家による整備や検査対応を行うことが重要です。


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