GN50Eの排気量アップを考えた際に、同じスズキ車であるRG80のシリンダーやピストンが流用できないか気になる方は少なくありません。しかし、エンジンの基本設計が近いように見えても、実際には確認すべきポイントが数多く存在します。本記事では、GN50EへRG80シリンダー・ピストンを流用する際の考え方や注意点について解説します。
GN50EとRG80は同じエンジンではない
まず理解しておきたいのは、GN50EとRG80はどちらもスズキ製であっても、用途や設計思想が異なるエンジンを搭載しているという点です。
GN50Eは4ストローク単気筒エンジンを採用しています。一方、RG80は2ストロークスポーツエンジンです。そのため、シリンダー構造そのものが大きく異なります。
4ストローク用シリンダーと2ストローク用シリンダーは基本的に互換性がありません。
なぜポン付けが難しいのか
仮にシリンダーボルトの配置や寸法が近かったとしても、2ストロークと4ストロークでは吸排気の仕組みが根本的に異なります。
| 項目 | GN50E | RG80 |
|---|---|---|
| エンジン形式 | 4ストローク | 2ストローク |
| バルブ機構 | あり | なし |
| 吸排気制御 | カムシャフト | ポート制御 |
| シリンダー構造 | 4スト専用 | 2スト専用 |
RG80のシリンダーには吸気ポートや排気ポートが設けられていますが、GN50Eはシリンダーヘッド側のバルブで吸排気を行います。
そのため、RG80のシリンダーをGN50Eへそのまま取り付けることは現実的ではありません。
シリンダーヘッドの流用は可能なのか
RG80用シリンダーを仮に取り付けられたとしても、GN50Eのシリンダーヘッドを流用することは非常に困難です。
燃焼室形状やボア径、スタッドボルト位置、オイルラインなどが異なるため、無加工での装着はほぼ不可能と考えられます。
また、ピストン頂部形状や圧縮比の問題も発生するため、エンジン破損のリスクが高くなります。
GN50Eの排気量アップなら専用キットを検討
GN50Eの排気量アップを目的とする場合は、GN系エンジン向けのボアアップキットを探す方が現実的です。
例えば75cc化や88cc化などの専用キットであれば、シリンダー・ピストン・ガスケット類がセットになっており、必要なセッティング情報も入手しやすくなります。
実際にカスタムを行っているユーザーの多くも、他車種流用より専用品を選択しています。
流用カスタムで確認したいポイント
どうしても他車種流用を検討する場合は、以下の項目を事前に計測する必要があります。
- シリンダースタッドボルト間隔
- クランクケース開口径
- ピストンピン径
- コンロッド長
- シリンダー全高
- 燃焼室容量
- 圧縮比
これらが一致しなければ、加工費だけで専用ボアアップキット以上の費用になるケースも珍しくありません。
まとめ
GN50EとRG80は同じスズキ車ではありますが、GN50Eが4ストローク、RG80が2ストロークという根本的な違いがあります。そのためRG80のシリンダーやピストンをGN50Eへポン付けすることは基本的にできません。
また、GN50EのシリンダーヘッドをRG80シリンダーへ流用することも現実的ではありません。排気量アップを目的とするのであれば、GN系エンジン向けの専用ボアアップキットを選択する方が、安全性やコスト面で有利といえるでしょう。


コメント